著者
清水 実嗣 山田 俊治 村上 洋介 両角 徹雄 小林 秀樹 三谷 賢治 伊東 伸宜 久保 正法 木村 久美子 小林 勝 山本 孝史 三浦 康男 山本 輝次 渡辺 一夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.389-391, 1994-04-15
被引用文献数
31

ヘコヘコ病発病豚の病原学的検索を行った.その結果,血清と肺よりPRRS ウイルスが,また肺よりMycoplasma hyorhinis(Mhr)が高率に分離された.無菌豚に分離ウイルスChiba92-1株を接種したところ,全葉性の増殖性間質性肺炎が再現され,ウイルスが長期間回収された.肺炎はMhrとの重感染例において重度化する傾向にあった.以上の成績から,わが国にPRRSウイルスが存在し,本病の発生に同ウイルスが関与することが明らかとなった.
著者
村上 洋介 加藤 あずさ 津田 知幸 両角 徹雄 三浦 康男 杉村 崇明
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.891-894, 1994-10-15
被引用文献数
37

わが国で発生した肥育豚の慢性肺炎と繁殖豚の異常産の各症例から, 豚の肺胞マクロファージ細胞を用いて合計3株の豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)ウイルスを分離した. これらの国内分離株は, 間接蛍光抗体法(IIF)とIndirect immunoperoxidase mono-layer assayのいずれにおいてもアメリカで分離されたPRRSウイルスの46448株(米国株)とは強い交差反応を示すが, オランダで分離されたLelystad virus (欧州株)とは弱い交差反応しか示さなかった. さらに, 自然感染豚の血清を用いて, 上記の米国株, 欧州株および国内分離株に対するIIF抗体の検出率と抗体価の変動を比較したところ, 国内分離株と米国株を抗原とした場合にはそれらの抗体検出率と抗体価の変動がほほ一致するのに対して, 欧州株を抗原とした場合には抗体検出率が低く, また抗体変動もほとんど認められなかった. 以上のことから, わが国でPRRSウイルスを分離し国内にPRRSの発生があることを明らかにするとともに, 国内流行株が米国株に近縁であることが示唆された.
著者
佐藤 豪 伊藤 琢也 庄司 洋子 三浦 康男 見上 彪 伊藤 美佳子 倉根 一郎 SAMARA Samir I. CARVALHO Adolorata A. B. NOCITI Darci P. ITO Fumio H. 酒井 健夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.747-753, s-ix-s-x, 2004-07-25
被引用文献数
2 31

ブラジルで採取された狂犬病ウイルス株14検体を用いて,病原性および抗原性状に関連するG蛋白遺伝子およびG-L間領域(シュートジーン)について遺伝子および系統学的解析を行った.分離株は,ヌクレオ(N)蛋白の解析によって犬型狂犬病ウイルス(DRRV)または吸血コウモリ型狂犬病ウイルス(VRRV)の2系統に分類された.これらのG蛋白コード領域とジュードジーンの塩基相同性およびアミノ酸(AA)相同性は総じてエクトドメインのものよりも低かった.両領域において,VRRVの塩基およびAA相同性はDRRVに比べて低かった.また,DRRVとVRRVの推定AA配列においては,3箇所の抗原認識部位およびエピトープ(サイトIla,サイトWB+およびサイトIII)に相違があり,両系統が抗原性状により区別できることが示唆された.シュードジーンおよびG蛋白コード領域の系統樹とエクトドメインの系統樹を比較すると,翼手類および肉食類由来株グループの分岐は異なっていた.一方,DRRVまたはVRRVのグループ内において分岐は明らかに類似していた.また,VRRV分離株はブラジルのDRRVよりも近隣中南米諸国の翼手類分離株により近縁であった.これらの結果は,N遺伝子と同様,G遺伝子およびG-L間領域の解析においても,ブラジルの狂犬病分離株がDRRVまたはVRRVに分類できることを示した.
著者
永野 博明 林 和彦 久保 正法 三浦 康男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.307-314, 1990-04-15
被引用文献数
1

長崎県, および宮崎県を除く九州地方で牛流行熱が発生した. 長崎県では17年ぶりの発生であった. 10月17日に平戸市で初発し, 長崎県では24戸24頭の発生であった. 臨床症状は突然の発熱, 食欲不振および起立不能であった. 発症牛全例において牛流行熱ウイルスに対する抗体価の上昇が見られた. 17例の発症牛のヘパリン加血液から初代HmLu-1細胞で, 12株のウイルスが分離された. これらの分離株は牛流行熱ウイルス山口株の免疫血清ですべて中和された. 電子顕微鏡では, 代表株平戸-9感染HmLu-1細胞の材料中に150nmの円錐型ウイルス粒子が観察された. 平戸-9株と山口株は交差中和試験で, 互いに良く交差した. 牛流行熱ウイルスの分離は, 発症牛の血球材料(洗浄血球)を用いることにより, HmLu-1細胞で容易に分離されることが明らかになった.