著者
安藤 勝敏 須長 誠 三浦 重 関根 悦夫 鬼頭 誠 青木 一二三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.536, pp.87-98, 1996-04-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

経済的で信頼性の高い土路盤上省力化軌道の開発実用化を目的として, 鉄筋コンクリート路盤を提案した. 本構造を北陸新幹線高崎~軽井沢間の現場に試験敷設し, 実物大規模の静的・動的載荷試験を実施した. その結果, 新幹線荷重に対し路盤の表面応力および鉄筋応力は耐久性の観点から低いレベルにあり, 動的繰返荷重による路盤の累積沈下も極めて小さいことが確認された.
著者
清水 あずさ GOH Wei Huang 橋本 道尚 三浦 重徳 尾上 弘晃
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual57, no.Abstract, pp.S104_1, 2019 (Released:2019-12-27)

血管の内壁に単層の組織を構成する血管内皮細胞は,血流によるせん断刺激や筋の拡張収縮による伸展刺激など複数の力学刺激を受容して,カルシウム応答などの細胞応答や形態変化を呈することが知られているが,その詳細なメカニズムはいまだ解明されていない.このメカニズム解明のために、これまで細胞外マトリクス(ECM)で構成されたマイクロ流体デバイスに内皮細胞を播種することで血管の生体内環境を模したin vitro実験系が報告されてきた.しかしながら,従来の実験系では流体せん断刺激に対する細胞応答は報告されてきたが,伸展刺激を加味した細胞応答は明らかになっていない.そこで本研究では,複数の力学刺激を再現することにより,生体内環境をより模倣したin vitro血管モデルの構築を目的とする.具体的には,コラーゲンを用いたマイクロ流体デバイスにより,流れによるせん断刺激と伸展刺激の両方を印加可能な3次元培養系を提案する.本研究では,3Dプリンタで作製した水溶性モールドを犠牲層として用いてコラーゲンで構成されたマイクロ流路を構築した.また,外部より伸展刺激を負荷することで,コラーゲン流路内に培養した細胞が伸展している様子を確認した.
著者
竹内 新治 吉田 穣 三浦 重人
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.213-219, 1969-02-20

はじめに 視診と触診のみに基づいての乳癌の診断法では,腫瘤がある一定の大きさに達するまでは診断が不可能であり,より早期に診断する事が出来るような手段の現れない限り,もはや乳癌の根治成績の向上は期し難いとするLawson1)およびLe-wison2)の説は,極めて正鵠を得ているものと思われる.より早期の乳癌腫瘤が発見され,かつまた,乳腺症,線維腺腫をはじめ種々の良性疾患との鑑別も試験切除の結果を待つまでもなく可能にするような手段の開発が切に望まれるところである.さらに,その手段の実施に当つて普遍性がありMass Screeningに使用可能である事が最も望ましい.このような目的を追求するために,Thermo-graphyもMammography,超音波,同位元素による診断法等と共に登場して来た. Thermographyは生体表面から放散される赤外線をScanning mirrorを通し,増幅してフィルムに写しとる方法であり,皮膚温度の分布を白黒の濃淡度によつて表現するものである.従つて本法により乳癌を診断するためには,乳癌部皮膚温が非癌性腫瘤部および正常乳腺部のそれよりいつも上昇しているという前提が不可欠である.
著者
三浦 重典 小林 浩幸 小柳 敦史
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.410-416, 2005-12-05
被引用文献数
8 7

東北地域において中耕作業の省略と除草剤使用量の低減を目指したダイズの栽培技術を開発するために, 秋播き性の高いオオムギを利用したリビングマルチ栽培試験を行った.試験は, 2002年及び2003年の2年間実施し, リビングマルチ, 除草剤施用, 中耕の有無を組み合わせた処理区について, 雑草の生育量とダイズの生育・収量を調べた.2002年及び2003年ともに, リビングマルチ栽培では, 5月下旬にダイズと同時に条播したオオムギ(品種: べんけいむぎ)は, ダイズ(品種: タチナガハ)より3日早く出芽し, 6月下旬頃まではダイズの草高を上回っていたが, 7月上旬頃から葉が黄化し始めて8月上旬にはほぼ枯死した.両年ともリビングマルチ栽培では, 中耕作業や除草剤土壌処理を省略しても高い雑草防除効果が認められた.また, リビングマルチと除草剤を組み合わせた区では, リビングマルチのみで除草剤を使わなかった区より雑草乾物重が少なく, 両者の組み合わせにより雑草抑制効果は高まった.リビングマルチ栽培におけるダイズの収穫時期の乾物重は, 2002年は慣行栽培とほぼ同じで2003年は慣行栽培より劣った.しかし, 両年とも稔実莢数と百粒重が慣行栽培と同程度であったため, ダイズの子実収量はリビングマルチ栽培と慣行栽培との間で有意差が認められなかった.東北地域では, オオムギをリビングマルチとして利用することで, 倒伏の危険性は若干高まるものの, ダイズ作における中耕や除草剤土壌処理が省略可能であると判断された.