著者
瀧ノ上 正浩 尾上 弘晃
出版者
東京工業大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

分子ロボットは、柔らかい材料(ソフトマター)であるDNAでできた、ナノからマイクロメートルの微小サイズのロボットで、生体内や環境中で情報をセンシングし、分子でコンピューティングし、プログラムされたタスクをこなす超微小ロボットとして期待されている。本研究では、その機能を最大限に発揮するために、細胞型のDNA分子ロボットを、電波や赤外レーザーなどの電磁波によって、コンピュータでリモートコントロール(遠隔制御)するシステムを構築する。
著者
繁富 香織 岩瀬 英治 尾上 弘晃
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1) 微細加工技術を用いて細胞の足場となるマイクロプレートを作製し細胞を折り紙のように折ることで、3次元立体を作製する手法を確立した。2) マイクロプレートに磁性体を埋め込み磁場をかけることで、細胞の形状変化を可能とするアクティブデバイスを作製した。3)幹細胞を立体的に培養しすると骨に分化しやすいことがわかった。4) NIH/3T3とHepG2を立体的に共培養することで、平面状に共培養するより、HepG2のアルブミンの生成が増えることがわかった。5) NIH/3T3を培養した後に、折り畳み展開を繰り返すことで、細胞内のアクチンの配向に影響を及ぼすことがわかった。
著者
清水 あずさ GOH Wei Huang 橋本 道尚 三浦 重徳 尾上 弘晃
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual57, no.Abstract, pp.S104_1, 2019 (Released:2019-12-27)

血管の内壁に単層の組織を構成する血管内皮細胞は,血流によるせん断刺激や筋の拡張収縮による伸展刺激など複数の力学刺激を受容して,カルシウム応答などの細胞応答や形態変化を呈することが知られているが,その詳細なメカニズムはいまだ解明されていない.このメカニズム解明のために、これまで細胞外マトリクス(ECM)で構成されたマイクロ流体デバイスに内皮細胞を播種することで血管の生体内環境を模したin vitro実験系が報告されてきた.しかしながら,従来の実験系では流体せん断刺激に対する細胞応答は報告されてきたが,伸展刺激を加味した細胞応答は明らかになっていない.そこで本研究では,複数の力学刺激を再現することにより,生体内環境をより模倣したin vitro血管モデルの構築を目的とする.具体的には,コラーゲンを用いたマイクロ流体デバイスにより,流れによるせん断刺激と伸展刺激の両方を印加可能な3次元培養系を提案する.本研究では,3Dプリンタで作製した水溶性モールドを犠牲層として用いてコラーゲンで構成されたマイクロ流路を構築した.また,外部より伸展刺激を負荷することで,コラーゲン流路内に培養した細胞が伸展している様子を確認した.
著者
尾上 弘晃
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,センチメートルスケールの複雑な3次元組織を構築するためのビルディングユニットである「細胞ファイバー」を開発し,組織構築のための方法論を確立することである.細胞ファイバーは,二重同軸マイクロ流体デバイスにより連続的に形成するこに成功した.その際,コア部に細胞と一緒に封入するECMの選択が,細胞ファイバ形成に重要であることを見いだした.形成した細胞ファイバを用い,培養液の中で機械織りして3次元構造を構築すること,また束ねることでバンドル様の構造を構築することに成功した.構築した3次元組織は細胞の活性を維持しており,移植医療に適用することが可能であることをマウスへの移植で確認した.
著者
尾上 弘晃 岩瀬 英治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,自然界の生物の持つ皮膚の色や模様の変化機構を模した,柔軟で伸縮可能な表示装置を構築する手法を提案することである.その目標のために,まず電場応答性のPAMPSゲルを利用した色素型ディスプレイを開発した.3 x 3のドットマトリックスアレイをPAMPSゲルと電極配線を用いて構築し,ゲルの屈曲を利用することで表示の切り替えに成功した.また,構造色による表示装置の開発のために,複数種類のフォトニックコロイド結晶をPDMSシート内にマイクロパターニングする「Channel-Cut Method」を開発を行った.2種類の発色を示すシートの構築に成功し理論式通りの反射波長ピークを確認した.