著者
畠添 孝 中西 信吾 木村 慶純 三角 一浩
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.511-515, 2012-07-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

種牡馬の死亡原因や発生状況等に関して詳細に調査・解析した報告は見あたらない.そこで過去45年間に死亡したサラブレッド種牡馬53例の死亡状況について回顧的な調査を実施した.死亡状況としては突然死が16例と最も多く,消化器疾患による急性腹症死が13例,骨折等の運動器損傷後の安楽殺が11例と続いた.突然死の発生は1月と12月がそれぞれ4例と3例,3~6月は各月2例であった.またその発生場所は,運動場と種付場がそれぞれ5例と4例,厩
著者
三角 一浩 鳥居 哲太郎 青木 修 藤木 誠 三浦 直樹 柳田 宏一 坂本 紘
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.829-836, 2001-11-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

肥育牛における蹄の生長, 蹄疾患の発生や生産性と削蹄との関係について検討した. 肥育期の黒毛和種16頭 (13.0±2.0カ月齢, 体重308.0±30.8kg, 去勢牛) を削蹄間隔により3, 6および12カ月削蹄群ならびに無削蹄群の4群に分け, 以後19カ月間, 蹄計測, 蹄形の変化を記録した. と殺後, 蹄病変を観察し, 枝肉成績を記録した. 削蹄間隔の延長に伴い, 蹄角度は小さく, 蹄壁・蹄踵長は長くなった. 12カ月削蹄群および無削蹄群では蹄の変形が進み, 伸びた蹄踵で負重するようになった. 白帯離解の発生頻度は無削蹄群で有意に高かった (P<0.05). 歩留基準値は, 6カ月削蹄群が12カ月および無削蹄群と比較して有意に高い値を示し (P<0.05), 産肉量が向上していた.本研究結果から, 削蹄間隔を6カ月とすることで, 標準蹄に近い蹄形が維持され, 蹄病変の発生抑制と産肉量向上に役立つことが明らかとなった.
著者
村田 大紀 三浦 直樹 松元 光春 三好 宣彰 藤木 誠 三角 一浩
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.703-707, 2011-09-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
7

調教中に転倒し,後肢の腰フラ様蹌踉(よろめき)を伴う混跛を呈した馬の症例に対して画像検査を実施した.脊髄造影検査では,第6頸椎と第7 頸椎の間(C6-C7)において造影剤の拡散が背側方向から障害されている所見が得られた.剖検時に行った頸椎及び胸椎(T)のコンピューター断層撮影(CT)検査では,C6-T2におけるすべての左側前後関節突起間隙に開大の所見が確認された.また,第1胸椎(T1)の左側前関節突起の変形と骨折片も確認された.さらに,C6-C7 において背側から軟部組織と思われる領域が脊髄を圧迫している所見が得られた.脊髄の病理組織学的検査では,C6-C7 における左側の側索から背索にかけて脊髄症の所見が得られた.以上より本症例は,転倒による頸胸弯曲部の外傷性椎骨骨折及び骨変化による椎骨列の異常に伴い軟部組織が脊柱管へと押し出された結果,圧迫性脊髄症を呈したと考えられた.