著者
上出 健二 河合 徹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.20, no.220, pp.506-511, 1963-08-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
28
被引用文献数
3 4

固有粘度-分子量関係式 [η] =KmMaの係数aをすぬけ効果の寄与と体積効果の寄与に分離定量する三つの方法を提案した。すでに前報で確立した二つの固有粘度-分子量関係式を利用する粘度式法, 固有粘度と分子量第2ビリアル係数についてのKrigbaumの関係にすぬけ効果を考慮した改良Krigbaum法, およびaとexpansion factor との間のVoeksの関係にすぬけ効果を考慮した改良Voeks法である。これらの方法を実験データに適用した。三つの方法で得られたすぬけ効果の寄与の程度を表わすパラメータは良く一致した。高分子のすぬけ効果の大きさは次の順序で大きくなる。ポリ酢酸ビニル=<アタクチックポリスチレン<イソタクチックポリスチレン<ポリビニルアルコール<ポリアクリロニトリル三硝酸セルロース
著者
上出 健二 渡部 武
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學
巻号頁・発行日
vol.26, no.291, pp.498-510, 1969
被引用文献数
1

円錐-円板型回転粘度計を利用して, 低ずり速度領域 (ずり速度γ=2.72×10<SUP>-2</SUP>~2.08×10sec<SUP>-1</SUP>) におけるアイノタクチックポリプロピレン溶融物 (250℃) のずり流動特性と, 定常ずり流動停止直後の応力緩和を測定した。試料として分子量範囲6.2×10<SUP>4</SUP>~3.96×10<SUP>5</SUP>の分別区分6種と未分別物1種を利用した。溶融物にずり変形を付加してから比較的短時間のうちは, 場合によっては定常状態におけるずり応力よりも大きなずり応力が発生する。非定常状態におけるずり応力の最大値は, 試料の分子量が大きくかつずり速度が大きいほど大きい。定常状態に達するに要する時間も試料の分子量とずり速度によって著しく影響される。この結果, 毛細管流動の場合でも見かけの粘度に及ぼす非定常流動の寄与が無視できないことが予想された。ニュートン流動から非ニュートン流動に転移するときのずり速度は分子量にほぼ反比例する。ニュートン粘度と分子量との間にはいわゆる3.5乗則が近似的に成立する。定常流停止直後の応力緩和は非線形的である。緩和の速度は分子量が小さいほど, ずり速度が大きいほど大きい。非線形応力緩和の主原因は非フック弾性である。
著者
上出 健二 河合 徹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.20, no.220, pp.506-511, 1963
被引用文献数
4

固有粘度-分子量関係式 [η] =<I>K<SUB>m</SUB>M<SUP>a</SUP></I>の係数aをすぬけ効果の寄与と体積効果の寄与に分離定量する三つの方法を提案した。すでに前報で確立した二つの固有粘度-分子量関係式を利用する粘度式法, 固有粘度と分子量第2ビリアル係数についてのKrigbaumの関係にすぬけ効果を考慮した改良Krigbaum法, およびaとexpansion factor との間のVoeksの関係にすぬけ効果を考慮した改良Voeks法である。これらの方法を実験データに適用した。三つの方法で得られたすぬけ効果の寄与の程度を表わすパラメータは良く一致した。高分子のすぬけ効果の大きさは次の順序で大きくなる。<BR>ポリ酢酸ビニル=<アタクチックポリスチレン<イソタクチックポリスチレン<ポリビニルアルコール<ポリアクリロニトリル三硝酸セルロース
著者
上出 健二 今中 明子
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.537-544, 1975
被引用文献数
2

ナイロン6分別区分 (数平均分子量<I>M<SUB>n</SUB></I>=830~43200) の融液からの等温結晶化現象を示差走査熱量法によって解析した. Avrami式θ=exp (-<I>kt<SUP>n</SUP></I>) (θ=未結晶化分率, <I>k</I>=速度定数, <I>t</I>=結晶化時間) のベキ係数<I>n</I>は結晶化の進行につれて6から1へ急激に減少する. これは分別結晶化によるのではなく, 結晶化機構の変化に原因する. <I>n</I>は結晶化温度<I>T</I><SUB>c</SUB>が高いほど, <I>M<SUB>n</SUB></I>が大きいほど大きくなる傾向がある. <I>M<SUB>n</SUB></I>が大きくなると結晶化速度は小さくなる. これは分子鎖の拡散の活性化エネルギーが過冷却度よりもより支配的であるとして説明される. 等温結晶化過程で生成した結晶の融解曲線は一次結晶化終了時には場合により3山ピーク (低温より, <I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (1) </SUB>, <I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (2) </SUB>, <I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (3) </SUB>と名付ける) を示す. 高温側の<I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (3) </SUB> ピークは<I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (2) </SUB> ピークが昇温過程において再配置したものの融解に対応する. <I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (2) </SUB> ピークは主ピークでラメラ結晶の融解に対応する. 低温側の<I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (1) </SUB> ピークは結晶化後期に発生し, <I>T</I><SUB>c</SUB>よりも常に数℃高い. <I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (2) </SUB> ピーク→<I>T</I><SUB>m</SUB><SUB>2 (3) </SUB> ピークへの転移は分子量が小さく, <I>T</I><SUB>c</SUB>が低いほど起こりやすい.
著者
上出 健二
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.405-407, 2001-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
12