著者
石川 安則 上平 員丈 谷中 一寿
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.384-392, 2009
被引用文献数
1

照明光に透かし情報を含ませて絵画や印刷物など実物体の被写体に照射することにより,被写体の画像情報とともに透かし情報を埋め込む方式を提案する.本方式によれば,電子透かしを埋め込むことが困難であった美術館の古典画などの非電子画像に対し,何ら物理的な改変を加えることなく,撮影された画像には不可視の電子透かし情報が埋め込まれる.離散コサイン変換(DCT)を用いて,8×8画素毎に最高周波数成分の極性に従って1ビットの情報を埋め込んだ照明光を被写体に照射し,透かし情報を抽出する検証実験を行った.照明光の輝度および照明光への透かし情報の埋め込み強度を変化させ,検出率の評価と,透かし埋込みによる画像品質劣化の評価,およびJPEG非可逆圧縮に対する耐性評価を行った.この結果,品質劣化が認めにくい程度の埋め込み強度においてほぼ100%に近い検出率が得られ,これより本方式の有効性を示すことができた.
著者
小森 瑞穂 上平 員丈 鈴木 雅洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.11-14, 2009
参考文献数
4

筆者らは,美術館の絵画など非電子画像の著作権・肖像権を無断撮影からの保護を目的に透かし情報を光を用いて埋め込む電子透かし技術の研究を行っている.この技術では,観察者に気付かれないように光に透かし情報を含ませることがポイントになる.今回,被写体上に照射された透かし情報を含む光について透かしパターンが知覚されない条件を検証した.実験結果から,不可視性はパターンのコントラストに依存するが,本技術を応用する上での実用的な状況において不可視性の可能性を示し,本技術の実現性を示すことができた.
著者
鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.63-66, 2007-09-27

ビームスプリッタの透過と反射とを用いた複合現実感における奥行き知覚に関して,実対象と仮想対象との相対的な奥行きの知覚を検討した.その結果,(a)知覚した奥行きは両眼非対応によって模擬した奥行きと定性的には合致したが,定量的には合致せず,個人差も大きいこと,(b)知覚した奥行きは遮蔽の制約を満たさない条件において弱まること,(c)知覚した奥行きには仮想対象を表示するスクリーンまでの距離が影響することが明らかとなった.
著者
横野 稔 鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.55-58, 2009-06-08

筆者らはこれまでの研究において観察者の運動の特性を利用することによって光学シースルーによる複合/拡張現実感における仮想対象を視覚的に知覚している位置を推定することを提案した.本研究においては,観察者が仮想対象に手を伸ばす場合に関して,運動時間の関数としての観察者の手の奥行き位置にロジスティック関数を適合することによって仮想対象を視覚的に知覚している奥行き位置を推定する.
著者
横野 稔 鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.55-58, 2009-06-01
被引用文献数
3

筆者らはこれまでの研究において観察者の運動の特性を利用することによって光学シースルーによる複合/拡張現実感における仮想対象を視覚的に知覚している位置を推定することを提案した.本研究においては,観察者が仮想対象に手を伸ばす場合に関して,運動時間の関数としての観察者の手の奥行き位置にロジスティック関数を適合することによって仮想対象を視覚的に知覚している奥行き位置を推定する.
著者
鈴木 雅洋 上平 員丈 安部川 卓也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.538, pp.83-86, 2007-02-15

広い空間を高い速度によって移動する観察者の奥行き知覚を,条件を厳密に統制した実験によって検討することは,現時点においてはそう容易ではない.そこで,本研究においては,広い空間を高い速度によって移動する観察者の奥行き知覚に関して,観察者の接近に伴う網膜像の拡大運動の影響を,まずは条件の厳密な統制にはこだわらずに検討した.その結果,(a)観察者が広い空間を高い速度によって移動する事態においても,観察者の接近に伴う網膜像の拡大によって奥行きを知覚することを確認し,(b)知覚した奥行きの確度は,速度が低い条件よりも高い条件において,また,対象が近い条件よりも速い条件において増加することを示した.