著者
片山 薫 香川 修見 神谷 泰宏 對馬 英樹 吉廣 卓哉 上林彌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2837-2845, 1998-10-15
被引用文献数
17

遠隔講義システムにおいて,記録された講義の検索をサポートすることは重要である.それによって学生が講義の必要な部分だけを復習したり,教師が過去の講義をより簡単に再利用したりすることができる.講義はマルチメディア教材を作成する過程であると見ることができるが,一般にマルチメディアデータの検索は困難である.画像認識技術や音声認識技術を利用して信頼性の高い索引を生成することはまだ容易ではない.我々はこれらの直接的なアプローチとは異なり,マルチメディアデータが作成される過程(講義)で同期をとって結び付けられる,より検索しやすいデータ〔スライドに含まれるテキスト,ペンやポインタ,キーボードなどの入力装置からのイベント情報(動作履歴と呼ぶ)など〕を利用する.これまでの講義システムでは,講義のビデオを結び付けられたスライド(教材)やノートの単位でしか検索することができなかった.我々のシステムでは,テキストデータに対する文字列検索や動作履歴の検索,ビデオの早送りや巻き戻しなど,これら多様なデータのそれぞれに検索機能を提供しそれを組み合わせることによってより柔軟な検索機能を実現する.また,講義中の雑談部分を検索したり,教材をスライドより詳細なブロック(教材の意味的な単位)の単位で検索できるようにするためのユーザインタフェースも提供する.Support of searching recorded lectures is important in distance education systems because students review parts of lectures they need and teachers reuse their past lectures easily.We view lecturing as a process of making multimedia teaching materials.It is difficult to search multimedia data in general.Although automatic scene analysis and speech recognition are very popular among researchers,it is still not easy to form reliable index.Our approach is different from these ways of searching multimedia data directly.We use information which are connected to continuous media such as video and audio with synchronous constraints during lectures,that is,texts contained in slides,sequences of events of pens and pointers(called Action History) and so on.In conventional systems search of lectures is supported only in a unit of slides or annotations.Our system provides a flexible search mechanism by combining search functions for various recorded information,for example,string for texts,a search function for action histories,fast forward and rewind of video and so on.User interfaces are also provided to enable users to search lectures for idle talk or search them in a unit of blocks which are semantic units of slided.
著者
青沼 裕美 神代 伸彦 今井 浩 上林 彌彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1056-1057, 1989-03-15

地理データベースはマルチメディア・データベースのなかでも特に応用範囲が広く,各方面で研究開発がすすめられつつある.しかし地図は文字と図形という異種メディアを一つの画面中に2次元的に表示するため,それらの相互作用から文字の"可読性"(読みやすさ)に問題が生じる.一般的に考えて字の読めない地図からは有用な情報が得られるとは言えない.本稿では,従来の地図システムにおける文字の処理方法を検討した上,われわれが現在構築中の可読性を重視したシステムについて述べる.
著者
今井 浩 青沼 裕美 上林 彌彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.363-364, 1988-09-12
被引用文献数
1

利用者要求の高度化に伴い,近年盛んにマルチメディアデータベースの研究が行われてきた.しかし,それらの研究の多くはメディアの蓄積法や検索法に関するもので,異種データを取り扱うために起こる新たな問題-メディア間の相互作用-は,ほとんど研究されていない.本稿では,図形と文字の相互作用を考え,わかりやすく表示するためのユーザ・インタフェースである「文字自動配置機能」について述べる.論理回路図,発電所の設備配置図,種々の地図などの図面をデータベースで管理することは,更新や検索を容易にし,関連情報との対応づけも行え,たいへん有用である.しかし図面中に,図形と,その各部を説明する文字を同時に表示する場合,文字を固定配置していてはわかりやすい表示は望めない-というのは,図面の拡大率によっては意味のないほど希薄な情報しか表示されなかったり,その逆に詰まりすぎて文字が重なり,読めなくなったりする恐れがあるからである.また,図面作製時に人手で文字を配置することは,手間と時間を要する大変な作業である.そのため,図形と文字を扱うマルチメディアデータベースでは,文字のみを扱う従来のデータベースにはなかった特殊なユーザ・インタフェース機能が必要となる.これが「文字自動配置機能」である.文字自動配置機能は図形のデータと文字のデータを受け取り,それらを統合し,図面中に文字をレイアウトして出力する.本稿では,地図を対象とした地理データベースにおける文字自動配置機能のアルゴリズムを検討する.
著者
遠藤 裕英 藤田 義之 上林彌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2534-2543, 1997-12-15
被引用文献数
1

企業の技術情報サービス部門ではWWW (World Wide Web)のホームページから新製品情報や新技術情報を取得し,研究者に迅速に伝達することが重要な課題になってきた.そこで,あらかじめ登録したホームページに毎日アクセスし,新着記事のキーワードを電子メールで配信するプッシュ型の技術情報サービスを開発した.ホームページから新着記事を抽出する方式として,ホームページに現れるアンカーのURL (Universal Resource Locator)の一致を照合する「アンカーを手掛かりとした新着記事抽出方式」を採用した.また,新着記事のキーワードにはホットテキストとホットイメージ代替文を用いた.上記方式を実装したWWW新着記事収集・配信システムを開発し,著者らの研究所で運用した.新着記事のキーワードを毎日配信することにより迅速な技術情報サービスが実現できた.また,「アンカーを手掛かりとした新着記事抽出方式」によって新着記事だけを抽出できることと,画像の新着記事を抽出できることが分かった.An increasingly important topic in the technical information service divisions of large corporations is the obtaining of new product and technical information from homepages on the World Wide Web,and the quick transfer of this to researchers.In this regard,a"push"technical information service has been developed that accesses pre-registered homepages everyday,and delivers keywords of new articles by electronic mail.This system compares and checks the anchor URL(Universal Resource Locator)that appears on the homepages,using this anchor as the key to extracting new articles.Hot text and altenative text to hot image are also used in the keyword of new articles.A World Wide Web new article extraction and delivery system incorporating the said system has been developed,and is operating at our laboratories.By delivering keywords of new articles everyday,a fast technical information service has been achieved.In using this new article extraction system,it has been found that new articles can be extracted regardless of differences in location of articles or exression of articles,and that even keywords of new images can be extracted.