著者
小野寺 誠 塚田 泰彦 鈴木 剛 三澤 友誉 上野 智史 全田 吏栄 菅谷 一樹 武藤 憲哉 反町 光太朗 伊関 憲
出版者
福島医学会
雑誌
福島医学雑誌 (ISSN:00162582)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.57-64, 2022 (Released:2022-08-10)
参考文献数
26

要旨:【目的】福島市消防本部管内における照会回数5回以上の救急搬送困難事案に対して救急専従医である地域救急医療支援講座による二次救急輪番当直支援の有用性について検討すること。【方法】2017年1月より2020年12月までの4年間に福島市消防本部管内で発生した救急搬送困難事案を対象とした。対象データは,福島市消防本部で保存している救急搬送記録簿,および地域救急医療支援講座から輪番当直支援を行っている二次救急医療機関4病院(以下,A~D病院)の救急車搬送時間記録簿から抽出した。4病院別に救急搬送数を調査し,平日で地域救急医療支援講座から当直支援を行った日(以下,支援日)と行っていない日(以下,非支援日)の二群に分け,救急搬送困難事案数および比率を検討した。【結果】調査期間内に4病院へ搬送された救急車は計34,578台,そのうち搬送困難事案数は589件(1.7%)であった。支援日と非支援日を比較すると,4病院ともに支援日での救急搬送困難事案数は少なく,比率も有意差をもって支援日で少なかった(A病院6件 vs 34件:p < 0.001,B病院7件 vs 26件:p < 0.001,C病院5件 vs 35件:p < 0.001,D病院0件 vs 28件:p = 0.025)。【結語】福島市二次救急医療機関に対する当講座の輪番当直支援は,救急搬送困難事案を有意に減少させていた。救急専従医による適切なトリアージが要因と考えられ,救急専従医が不足している地域での有用なモデルになる可能性がある。
著者
上野 智史 橋本 真幸 米山 暁夫 川田 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.306, pp.127-132, 2009-11-19
被引用文献数
1

本論文では,ユーザの現在位置・方向情報の精度の改善を目的とした,ユーザ撮影画像と街並画像データベースの画像マッチング手法を提案する.GPSによる位置データを利用してユーザを道案内するナビゲーションサービスが普及しているが,高層ビル街などGPSによる位置精度が悪い場所においても精度の高い位置情報の提供が求められていた.これに対して,対象エリアの街並画像を事前に撮影しておき,ユーザの撮影画像とマッチングすることでユーザ位置・方向を推定する手法が考えられる.しかし,街並画像データベースの撮影間隔が離散的であることと高圧縮の画像であることにより画像マッチングの精度が低い場合があった.そこで本研究では,これらの街並画像データベースでも特徴点の対応関係を精度よく抽出する方式を提案する.本手法は,局所特徴量の対応点の検出時に複数の対応点候補を選択し,その後建物の幾何拘束を考慮して対応点を選択することで,従来の最近傍探索手法より精度よく正解対応領域を検出する.本手法により,従来のSIFTによる最近傍探索に比較して位置精度誤差が7%縮小し,方向推定精度が10%改善する.