著者
杉本 幸太郎 千葉 英樹
出版者
福島医学会
雑誌
福島医学雑誌 (ISSN:00162582)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.65-71, 2023 (Released:2023-12-01)
参考文献数
26

要旨:核内受容体は様々な脂質を天然リガンドとする転写因子で,ヒトではレチノイン酸受容体,ビタミンD受容体,性ホルモン受容体,副腎皮質ホルモン受容体,および甲状腺ホルモン受容体など48種類が同定されている。核内受容体の転写活性は,基本的には特異リガンドとの結合によって調節されているが,実際にはリン酸化などの翻訳後修飾も影響する。我々は最近,細胞間接着から核内受容体のセリンリン酸化に至る新規のシグナル伝達経路を発見し,これが幹細胞分化および子宮体癌と乳癌の悪性形質増強に寄与することを明らかにした。本総説ではその一連の研究を紹介する。
著者
小野寺 誠 塚田 泰彦 鈴木 剛 三澤 友誉 上野 智史 全田 吏栄 菅谷 一樹 武藤 憲哉 反町 光太朗 伊関 憲
出版者
福島医学会
雑誌
福島医学雑誌 (ISSN:00162582)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.57-64, 2022 (Released:2022-08-10)
参考文献数
26

要旨:【目的】福島市消防本部管内における照会回数5回以上の救急搬送困難事案に対して救急専従医である地域救急医療支援講座による二次救急輪番当直支援の有用性について検討すること。【方法】2017年1月より2020年12月までの4年間に福島市消防本部管内で発生した救急搬送困難事案を対象とした。対象データは,福島市消防本部で保存している救急搬送記録簿,および地域救急医療支援講座から輪番当直支援を行っている二次救急医療機関4病院(以下,A~D病院)の救急車搬送時間記録簿から抽出した。4病院別に救急搬送数を調査し,平日で地域救急医療支援講座から当直支援を行った日(以下,支援日)と行っていない日(以下,非支援日)の二群に分け,救急搬送困難事案数および比率を検討した。【結果】調査期間内に4病院へ搬送された救急車は計34,578台,そのうち搬送困難事案数は589件(1.7%)であった。支援日と非支援日を比較すると,4病院ともに支援日での救急搬送困難事案数は少なく,比率も有意差をもって支援日で少なかった(A病院6件 vs 34件:p < 0.001,B病院7件 vs 26件:p < 0.001,C病院5件 vs 35件:p < 0.001,D病院0件 vs 28件:p = 0.025)。【結語】福島市二次救急医療機関に対する当講座の輪番当直支援は,救急搬送困難事案を有意に減少させていた。救急専従医による適切なトリアージが要因と考えられ,救急専従医が不足している地域での有用なモデルになる可能性がある。
著者
黒田 直
出版者
福島医学会
雑誌
福島医学雑誌 (ISSN:00162582)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.485-493, 1959-08