著者
下野 孝一 江草 浩幸
出版者
東京海洋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

われわれは被験者が窮屈な姿勢を取ったとき、頬に触っているのが手なのかと足なのか、という感覚が混乱する可能性があることを発見した。窮屈な姿勢とは、床に座り、足を平行より少し開き気味にして、足(あるいは手)で頬を触ることである。このような状態で、頬を触っているのが手なのか、足なのかの確信度を聞くと、床には座っているが体を折り曲げない場合に比べ、全体の8割近い観察者が、手が触っているか足が触っているかの確信度が低下した。この結果は触覚の新しい錯覚現象である。
著者
下野 孝一 Tam Wa James Vazquez Carlos Speranza Filippo Renaud Ron
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.228, pp.57-62, 2010-10-07
参考文献数
14

本研究においてわれわれは,奥行き地図(depth map)を平滑化(smoothing)することによって,立体画像で観察される書割効果を減じることができることを報告した.われわれはまず,立体画像の左眼原画像から奥行き地図を計算し,さらに平滑化を行った後,DIBR(depth-image based rendering)法を使って右眼用の画像を作り,立体加工画像を作成した.観察者は立体原画像と立体加工画像を観察し,それぞれの画像の質,書割効果の程度,視覚的快適性の程度を評価した.16名の観察者の結果は、平滑化奥行き地図で作成した立体加工画像は、原画像と比較して画像の質はいくらか低下するけれども、書割り効果を減じうることが示された.