著者
山路 徹 与那嶺 一秀 川端 雄一郎
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.394-401, 2018-03-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

サンゴ骨材中には空隙が多く、加圧吸水によるポンプ圧送性の低下および耐久性の低下が懸念される。本文では、まず実機プラントにおけるポンプ圧送試験を通して骨材の含水状況等がポンプ圧送性に及ぼす影響を評価した。また、この検討に用いたコンクリートを海洋環境暴露試験(3.5年間)に供し、耐久性について検討を行った。その結果、本骨材は常圧下での水中浸漬では骨材内部を飽和させることは困難であり、本特性はポンプ圧送性に大きな影響を及ぼすことが確認された。一方で、一般的な骨材と比べてコンクリートの強度特性や物質移動抵抗性に顕著な差がないことが示された。この理由としては、骨材界面の遷移帯の組織の改善が考えられた。
著者
宇津野 伸二 山路 徹 与那嶺 一秀 審良 善和 小林 浩之 渡部 要一 吉田 倫夫 前薗 優一 川瀬 義行 松本 茂
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.220-238, 2017 (Released:2017-06-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本報では,海水中から海底土中部に設置された港湾鋼構造物の流入電流および電位を連続測定し,海底土中部の電気防食特性について検討を行った.海底土中部では海底面からの深度が深くなるにつれ防食管理電位に達するまでの期間が延びるものの,電気防食によって十分な防食効果が得られることが確認された.さらに,海底土中部の電気防食メカニズムを検証した結果,微弱でも防食電流を供給することにより,現在の設計で想定されている防食電流以下であっても防食効果は得られると考えられた.また,海底土中部の土壌抵抗が防食電流の供給に影響を及ぼすことを確認し,有限要素法を用いた電位・電流密度分布解析により,土壌抵抗率を考慮した電気防食設計手法を検討した.