著者
野口 孝俊 渡部 要一 鈴木 弘之 堺谷 常廣 梯 浩一郎 小倉 勝利 水野 健太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.150-162, 2012 (Released:2012-02-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

東京国際空港(羽田空港)は,日本の国内航空ネットワークのハブ空港となっている.増加する旅客数に対して発着能力が限界に達していることに加え,国際線発着枠の拡大に対する要請も強い.そこで,新たな離発着能力を創出するために,沖合に4本目の滑走路を新設する羽田空港再拡張事業が2007年3月末に着工され,2010年10月末に供用開始した.羽田空港D滑走路の建設事業は,軟弱地盤が厚く堆積する地盤上の建設であること,河口部に位置するため,洪水時の河川流量を確保する観点から,一部に桟橋構造が採用されていること,短い工事期間が設定されたことなどから,最新の土木技術を集結し,さまざまな設計・施工上の工夫をした.本稿は,当該事業について,主に地盤工学の立場から,事業内容,地盤調査,人工島設計の概要をとりまとめたものである.
著者
水野 健太 渡部 要一 小林 正樹 野口 孝俊 青木 康哲 山本 隆信 高橋 充
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.78-84, 2012-01-15 (Released:2012-01-20)
参考文献数
9

In the construction of the D-runway in Tokyo International Airport (Haneda Airport), “the settlement prediction and management system (HSAP)” which can efficiently evaluate the consolidation settlement of artificial reclamation was developed. The reclamation history data base which reflected the actual construction until July, 2009 and the reclamation plan after that was made. The actual measurement and the calculation value were compared and the various consolidation parameters were identified. Moreover, the long-term consolidation test and constant strain rate consolidation test were executed, and the secondary consolidation parameter was set based on the isotache model's concept. Based on the prediction result of the residual consolidation settlement, the filling height of the D-runway at the start of in-service period was decided to be 0.70m, which is required from the aviation operation.
著者
宇津野 伸二 山路 徹 与那嶺 一秀 審良 善和 小林 浩之 渡部 要一 吉田 倫夫 前薗 優一 川瀬 義行 松本 茂
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.220-238, 2017 (Released:2017-06-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本報では,海水中から海底土中部に設置された港湾鋼構造物の流入電流および電位を連続測定し,海底土中部の電気防食特性について検討を行った.海底土中部では海底面からの深度が深くなるにつれ防食管理電位に達するまでの期間が延びるものの,電気防食によって十分な防食効果が得られることが確認された.さらに,海底土中部の電気防食メカニズムを検証した結果,微弱でも防食電流を供給することにより,現在の設計で想定されている防食電流以下であっても防食効果は得られると考えられた.また,海底土中部の土壌抵抗が防食電流の供給に影響を及ぼすことを確認し,有限要素法を用いた電位・電流密度分布解析により,土壌抵抗率を考慮した電気防食設計手法を検討した.
著者
福江 正治 渡部 要一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.241-242, 2003

貧配合セメント処理土の圧密試験結果について、土のセメンテーションという観点から、その状態式を考える。セメント処理土は時間とともに硬化するので、その硬化の程度はセメンテーションと見なすことができる。つまり、セメンテーション硬化は養生期間に依存する。本研究では、このようなセメンテーションを有する供試体の圧縮曲線がつぎの状態式で表せることを示す。(1+ ë) p =γs z ここに、ë は平均間隙比、 pは有効圧力、γsは定数(土粒子の水中単位体積重量)、zは変数(深さ)である。ここで、ëおよびpはzの関数で表せる。
著者
直井 恒雄 渡部 要一 新舎 博 日高 征俊 白神 新一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_498-I_503, 2012
被引用文献数
1

東京都の新海面処分場Cブロックにおいて,真空圧密を利用した粘性土層の減容化事業を実施した.対象となる粘性土層は,均質な在来粘土層とその上に処分した砂分を多く含む浚渫土層である.本減容化事業では事前予測沈下量の90%以上の沈下量を目標として工事を実施しているが,浚渫土層の中に存在する中間砂層の堆積分布を正確に把握し,沈下量の評価に反映する必要があった.そこで,本文ではドレーン打設時のマンドレル貫入抵抗値から中間砂層の堆積分布を詳細に把握した.また,減容化のための圧密挙動に関しては,中間砂層を排水層とみなした圧密理論と実際の沈下挙動を比較し,予測沈下計算方法が十分に適用できることを明らかにした.
著者
野口 孝俊 渡部 要一 鈴木 弘之 奥 信幸 大和屋 隆司 渡邊 雅哉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.305-320, 2012 (Released:2012-05-18)
参考文献数
5
被引用文献数
3

東京国際空港(羽田空港)では,新たな離発着能力を創出するために,羽田空港再拡張事業として,沖合に4本目の滑走路(D滑走路)を新設する事業が2007年3月末に着工され,2010年10月末に供用開始した.羽田空港D滑走路の建設事業は,軟弱地盤が厚く堆積する地盤上の建設であること,河口部に位置するため,洪水時の河川流量を確保する観点から一部に桟橋構造が採用されていること,短い工事期間が設定されたことなどから,最新の土木技術を集結し,さまざまな設計・施工上の工夫をした.本稿は,当該事業の埋立部を中心に主に地盤工学の立場から,地盤改良工の施工,軽量土の施工と品質管理,埋立部の計測施工,盛土の施工と品質管理,供用開始後の維持管理について,その概要をとりまとめたものである.