著者
宮本 晃 長谷川 隆光 北村 信三 梅田 正五 川野 幸志 進藤 正二 陸川 秀智 塩野 元美 小笠原 弘二 並木 義夫 折目 由紀彦 瀬在 幸安 渥美 和彦 藤正 巌 井街 宏
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.604-607, 1986

開心術後のLOS症例と, 体外循環からの離脱困難症例2例に補助循環として補助人工心臓を使用した。症例1は61才女性, AR+MRの診断にて二弁置換術を施行, 症例2は23才女性, MR+TRの診断にて僧帽弁置換術と三尖弁弁輪形成術を施行, 症例3は急性心筋梗塞症に心室中隔穿孔と左室瘤を合併し, 穿孔部閉鎖術と瘤切除を施行した。このうち2例は離脱可能であったが, 3例とも救命できていない。補助人工心臓の効果についての異論はないが, 成績向上のためには補助心臓シヌテム運用面における問題点を解決する必要があり, 本シヌテムの改良点を含めて経験症例を検討した。補助心臓ポンプの容量およびカニューレのサイズは, 抗血液凝固剤の使用を減少させる意味で最小限とした。適応基準については既に確立されているが, 運用面では補助心臓適用時期の問題, 補助心臓とIABP併用の際の駆動時相の問題, さらに補助循環中の心拍出量等について解析を加えた。
著者
長坂 不二夫 大森 一光 北村 一雄 並木 義夫 村松 高 西村 理 羽賀 直樹 古賀 守 四万村 三恵 瀬在 幸安 楠美 嘉晃
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.400-404, 1997-07-25
被引用文献数
5

症例は79歳男性で, 30年前に左膿胸で手術を受け, 1994年6月肺癌で右下葉切除術後, 50Gyの放射線療法を施行された。右膿胸, 慢性呼吸不全で2度入院し, 以後, 在宅酸素療法を受けていた。1996年8月17日, 心肺停止の状態で当院に搬送され, 心拍動は再開したが脳死状態で人工呼吸器管理となり, 8月26日第2-3気管軟骨輪で気管切開を施行した。気管切開後第87日の11月18日, 口腔内より突然大量出血した。気管カニューレのカフ内圧を上げることにより一時的に止血できたが, 21日再び大量出血して死亡した。剖検所見では気管切開孔より1.8cm末梢で気管と腕頭動脈との間に瘻を形成していた。自験例を含めて検索しえた文献的報告例は29例で, 出血機序による検討では"extratracheal type"が5例, "endotracheal type"が21例であった。従来, 予後不良であったが最近では救命例の報告が増加している。