著者
新垣 淳也 久高 学 山里 将仁 羽地 周作 安田 卓 盛島 祐次 平良 一雄 宮里 浩 照屋 剛 大城 健誠 山城 和也 川野 幸志 久高 弘志 与儀 実津夫
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.977-980, 2003-09-30
参考文献数
9
被引用文献数
5

大麻の種子によるイレウスと術前診断し, 緊急開腹術を行った1例を経験したので報告する. 症例は24歳, 男性. 2001年5月に腹痛, 悪心, 嘔吐が出現した. 腹痛が徐々に増悪したため, 当院急病センターを受診した. 腹部単純X線写真では拡張した小腸ガスとniveau像を認め, 更に右側腹部に径4cm大の楕円形の腫瘤陰影を認めた. 腹部CTでは, 小腸内に4cmの異物が確認でき, その内部には多数の粒様陰影を認めた. 消化管内の異物による閉塞性イレウスと診断し再度詳細に問診したところ, 大麻の種子を男性避妊具に詰め込み, 丸飲みしたとのことであった. 同日緊急手術を施行した. 開腹すると回腸に3×5cm大の硬い腫瘤を触知し, 腸管を過伸展させていた. 異物を用手的に肛門側へ移動させることは困難であったため, 腸管を切開し異物を摘出した. ラップに包まれた大麻の種子が男性避妊具内に入っていた.
著者
宮本 晃 長谷川 隆光 北村 信三 梅田 正五 川野 幸志 進藤 正二 陸川 秀智 塩野 元美 小笠原 弘二 並木 義夫 折目 由紀彦 瀬在 幸安 渥美 和彦 藤正 巌 井街 宏
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.604-607, 1986

開心術後のLOS症例と, 体外循環からの離脱困難症例2例に補助循環として補助人工心臓を使用した。症例1は61才女性, AR+MRの診断にて二弁置換術を施行, 症例2は23才女性, MR+TRの診断にて僧帽弁置換術と三尖弁弁輪形成術を施行, 症例3は急性心筋梗塞症に心室中隔穿孔と左室瘤を合併し, 穿孔部閉鎖術と瘤切除を施行した。このうち2例は離脱可能であったが, 3例とも救命できていない。補助人工心臓の効果についての異論はないが, 成績向上のためには補助心臓シヌテム運用面における問題点を解決する必要があり, 本シヌテムの改良点を含めて経験症例を検討した。補助心臓ポンプの容量およびカニューレのサイズは, 抗血液凝固剤の使用を減少させる意味で最小限とした。適応基準については既に確立されているが, 運用面では補助心臓適用時期の問題, 補助心臓とIABP併用の際の駆動時相の問題, さらに補助循環中の心拍出量等について解析を加えた。