著者
伊達 修一 寺林 敏 松井 浩平 並木 隆和 藤目 幸擴
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.485-489, 2002-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
5 6

水道水を用いて作成した培養液による水耕栽培で, しばしば発生する根部褐変の原因について調査した.サラダナの根部褐変は次亜塩素酸の形態で存在する水道水中の残留塩素とアンモニウムイオンが存在する培養液でのみ発生し, どちらか一方しか存在しない培養液では発生しなかった.また, 次亜塩素酸あるいはアンモニウムイオンどちらかを含む培養液に交互に移植しても根部褐変は発生しなかった.従って, 根部褐変は次亜塩素酸とアンモニウムイオンにより生成するクロラミンにより発生するものと考えられた.さらに培養液中の残留塩素濃度の低下は, 光条件下で鉄イオンの存在により促進された.
著者
佐藤 隆徳 矢澤 進 並木 隆和
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2-3, pp.25-31, 1984-09-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
31

発芽に変温を必要とするボリビア産トウガラシ‘No.3341’ (Capsicum chinense) の発芽特性について調査検討した.1.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に15℃・24時間の変温処理を行うと, 非常に早く発芽し, 発芽率も高かった.2.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に行った25℃・24時間の変温処理 (変温幅5℃) も, 発芽を促進した.3.発芽温度を30℃とした場合, 播種1日後に行った15℃・24時間の変温処理も, 発芽を促進した.4.30℃恒温で, 照明下では半数近くが発芽し, 光発芽性種子 (好光性種子) であることが認められた.5.暗黒下であっても, 変温処理を繰り返し行うと, 高い発芽率が得られた.6.GA3 (ジベレリン酸) 処理は, 最適濃度であれば, 照明の有無にかかわらず, 30℃恒温下で発芽を促進した.7.GA3の最適濃度からはずれた濃度の処理では, 発芽は光の影響を受けることが認められた.8.暗黒下でGA3処理した場合, 照明下での処理に比べ, 100および250ppmで著しく発芽が抑制された.
著者
寺林 敏 藤原 一哉 山下 智史 並木 隆和 SATOSHI TERABAYASHI KAZUYA FUJIWARA TOMOFUMI YAMASHITA TAKAKAZU NAMIKI 京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室 京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室 京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室 京都府立大学農学部蔬菜園芸学研究室 Laboratory of Olericulture Faculty of Agriculture Kyoto Prefectural University Laboratory of Olericulture Faculty of Agriculture Kyoto Prefectural University Laboratory of Olericulture Faculty of Agriculture Kyoto Prefectural University Laboratory of Olericulture Faculty of Agriculture Kyoto Prefectural University
雑誌
京都府立大學學術報告. 農學 = The scientific reports of Kyoto Prefectural University. Agriculture (ISSN:00757373)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.183-188, 1985-11-15

トマト(Lycopersicon csculentum MILL cv. Ohgata-fukujyu)を水耕および土耕栽培し, 果実の果皮強度, 果皮の厚さ, 果肉強度を測定した。水耕区, 土耕区とも施肥濃度が高いほど, 果皮強度が高く, 果皮の厚さが増した。一方, 果肉強度は低下した。果実の成熟段階が進んだものほど, 果皮強度は低かった。収穫後30℃暗黒条件下で6日間ないし8日間貯蔵した場合, 果皮強度の低下は小さく, 果肉強度の低下が大きかった。とくに土耕区のトマトで顕著であった。果実の硬さを支配する果皮強度や果肉強度の要因は, 施肥濃度, 果房段位, 果実の成熟段階, 収穫後の日数によって変化した。しかし, これらの要因は水耕および土耕といった栽培法の違いによって特徴づけられるものでなかった。