- 著者
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後藤 昌弘
西村 公雄
中井 秀了
- 出版者
- 日本食生活学会
- 雑誌
- 日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.4, pp.282-288, 2004-03-31 (Released:2011-01-31)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
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2
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真空調理による肉じゃがの最適減塩調理条件をランダム・セントロイド法 (RCO法) を用いて最少実験回数で決定することを試みた.肉じゃがは, プラスチック袋に一定量の野菜 (ジャガイモ, タマネギニンジン) と牛肉及び調味液を入れ, 真空包装し, スチームコンベクションオーブンを用いて100℃で加熱した. まず, 一般的配合の調味料を用いて20, 30, 40分加熱し, 官能検査 (順位法) で最も好まれる調理時間を調べた. その結果は40分であった.次に, 加熱時間40分, 加熱温度100℃, 風味調味料重量を一定 (1.2g) として醤油重量 (0~19.5g) 及び砂糖重量 (0~8.4g) の2つを要因としてRCOプログラムによって示された条件で調理を行い, 官能検査の総合評価が最も高くなる条件を求めた. この場合, 醤油重量16.6g, 砂糖重量4.2gが最適条件で, 普通調理品 (一般的配合の調味料で約20分間鍋で煮たもの) と比べ約33%の減塩効果があった. また, 官能検査の総合評価は, 普通調理品肉じゃがと比べほとんど差がなかったさらに, 醤油重量 (0~16.6g), 砂糖重量 (0~8.4g), 風味調味料重量 (0~3.0g) の3つを要因としてRCOプログラムで同様に調理条件を求めた. その結果, 醤油重量13.4g, 砂糖重量5.5g, 風味調味料重量1.7gが最適条件であった. この時は普通調理品と比べ38%の減塩効果があった. この場合の官能検査の総合評価も普通調理品肉じゃがと比べほとんど差がなかった.