著者
中山 敬太
出版者
協創&競争サステナビリティ学会
雑誌
場の科学 (ISSN:24343766)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.42-62, 2022 (Released:2022-07-01)

萌芽的科学技術の科学的不確実性を伴うリスク対する予防的措置に関して、本稿ではナノテクノロジーを事例として、その規制対象を「テクノロジー」と「マテリアル」の要素に区分し、科学技術の「機能」や「性質」にも考慮した上で、規制対象を区分せずに予防的措置を講じた場合と比べ、社会的許容性と妥当性を相対的に担保し、社会的不都合性が生じることをより軽減するアプローチに繋がる可能性があることを明らかにした。また、既にナノテクノロジーに関して規制措置を定めるEU等の諸外国に対して、日本では具体的な予防的措置は講じられていない状況下で、今後のナノテクノロジー規制の展望に関して政策的示唆を含め新たな視座を示した。
著者
中山 敬太
出版者
協創&競争サステナビリティ学会
雑誌
場の科学 (ISSN:24343766)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.58-80, 2023-05-31 (Released:2023-07-25)

本稿では、福島第一原発事故後の「復興と廃炉の両立」理念の一環として行政機関による計画および実施されているALPS処理水の海洋放出と放射能汚染土の再生利用には、双方に共通する構造的問題やその被害メカニズム(「構造的暴力」を含む)が存在し、行政側の各対応策の計画・実施に至るリスク意思決定プロセスにおけるロジック構造やその欠陥(具体的かつ明確な法律に基づく実施計画ではない点など)にも共通点を見い出し明らかにした。とりわけ、「根拠規定」、「リスクコミュニケーションの状況」、「不確実性の種類」、そして「リスク・トレードオフの有無」の4つの要素に関して、福島原発事故対策をめぐる双方の本質的な構造的問題をもたらしている根本的な要因である可能性を指摘し、その上で日本の安全・安心行政の課題を提示し、当該問題領域における法政策学上の新たな視座を示した。
著者
奥脇 駿 小谷 俊明 中山 敬太 佐久間 毅 飯島 靖 赤澤 努 南 昌平 大鳥 精司 山崎 正志
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.1171-1176, 2022-11-20 (Released:2022-11-20)
参考文献数
10

はじめに:思春期特発性側弯症(AIS)に関して,早期発見・治療を目的とした学校検診が重要である.しかし本邦では自治体毎に検診法は異なる.今回,紹介元の違いで術前患者を評価し学校検診の有効性を比較検討した.対象と方法:当院で手術を受けたAIS患者で,運動器検診に加えて客観的検査法を併用している地域からの紹介(X群),運動器検診のみの地域からの紹介(Y群)とした.患者背景を比較し,受診する契機が学校検診によるものか否かを調査した.結果:X群は117名,Y群は40名であった.X群で初診時の年齢が低く(p=0.012),受診契機が学校検診の割合が高く(p<0.001),初診時主カーブCobb角が小さかった(p<0.001).Y群で手術時の年齢は低く(p=0.011),術前の主カーブCobb角は大きかった(p<0.001).結語:運動器検診のみを行なっている地域からの紹介患者は,初診時の年齢が高く,初診時・術前の主カーブCobb角も大きかった.また,運動器検診のみの地域からの受診患者では,学校検診契機で受診する割合が低かった.客観的検査法を併用している地域の方が早期受診に寄与している可能性がある.
著者
高柳 俊祐 中山 敬太 石川 勉
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

知識獲得や推論などの知識処理機能を有する、ペット型ロボットを想定した雑談型自由対話システムを開発している。本システムは、ユーザの発話から獲得した知識を利用して質問応答を行う機能、発話から常識知識を獲得し利用する機能、物忘れに対する補助システムである備忘録機能などを持つ。また、特定の話題に対してシステムが主導権を取り対話を進める機能や、ユーザの発話の吉凶を判断し適切な相槌を打つ機能なども有する。