著者
中島 成久
出版者
法政大学教養部
雑誌
法政大学教養部紀要 (ISSN:02882388)
巻号頁・発行日
no.63, pp.p1-66, 1987-01
著者
中島 成久
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1990年代、とりわけアジア経済危機を経て、国際的なミネラルウォーター資本がインドネシアの水道事業に介入した。インドネシアでは民営化の影響で、現在水が危機にさらされている。3年間の研究では、以下の3点について集中的な調査と、文献研究を行った。(1)ジャカルタ市水道公社の民営化委に至る経緯と民営化後の水道サービスへの影響の調査、および、ジャカルタ北部の低所得者居住地区での地盤沈下と海水の侵入、水道サービスの劣化の現状(2)西ジャワ州スカブミ県でのミネラルウォータービジネスの実態とその住民生活への影響の実態調査(3)改革時代の西スマトラ州では共有地返還闘争が頻発しているが、良質な水源をもつ村では地方政府の水道事業による水源利用への補償を求める動きが活発化したので、その実態調査。また、地方自治の時代に権限を拡大した県知事による新たな水道事業で、「水戦争」が発生したことの経緯を調査した。水という公共性の非常に高い資源が民営化されると状況が何をもたらすのかという問題に大きな示唆を与えることができる成果を得られた。
著者
中島 成久
出版者
法政大学教養部
雑誌
法政大学教養部紀要 (ISSN:02882388)
巻号頁・発行日
no.59, pp.p139-187, 1986-01
著者
中島 成久
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

12年度はインドネシア、西スマトラ州における共有地返還運動に関する全般的な情報の収集に努め、アンダラス大学、パダン国立大学、LBH(法律援助協会)などで指導的な立場にいる人々とインタビューを行った。平成13年度は前年の成果に基づき、共有地返還運動の代表的な事例である3つのケースについてLBHの協力の下、集約的な調査を行った。平成14年度は、13年度で確認した問題を更に深める調査を行った。西スマトラにおけるこうした集約的な調査のほか、Jurnal Antropologiという雑誌を発行している機関の主宰するシンポジューム(2001年7月、アンダラス大学、西スマトラ;2002年7月、ウダヤナ大学、バリ)で研究成果を二度発表し、インドネシア人研究者のみならず、インドネシアを研究するオーストラリア、オランダ、アメリカ人研究者などとの交流を図った。また、2001年4月から2003年3月まで、「植民地主義の再検討」という研究会を、法政大学比較経済研究所のプロジェクトとして主宰し、研究代表者の行っている「共有地返還運動」が、スハルト政権の開発政策の正当性を問う運動であることを報告して、より抽象性の高い議論として展開した。