著者
武田 邦彦 中島 江梨香
出版者
中部大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

海洋資源の利用、エネルギーおよび食糧資源の確保などの極めて重要な視点から高濃度CO2を活用した藻類の大量培養を進める必要があると考えられるが、本研究を通じて、早期に研究が必要なものは関連する化学工学の研究、それに付随して海洋工学、藻類研究と化学工学の融合である。工業化の研究段階は初歩的段階であるが、研究の社会的意義が大きいので公的資金獲得が可能であるので「有望である」という概念や研究申請が先行し、エネルギー収支、環境影響、科学的合理性に対する検討がまったく不十分であることが分かった。本研究を通じてCO2利用研究が単なる研究費獲得のための活動にならないことがもっとも重要であることが分かった。
著者
中島 江梨香 上野 智永 市野 良一 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.159-168, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
34
被引用文献数
2

高分子材料の欠点である燃焼性を克服するために,高分子材料の熱分解と燃焼性について研究を行ってきた.高分子化合物の熱分解は,主鎖のランダムな分解,あるいは高分子鎖の末端で三量体などの化合物を生成する場合,解重合が起きる場合がある.本報では,ランダム開裂とともに末端の特定部位からの開裂が同時に起こる,ポリプロピレンとポリスチレンについて熱分解と燃焼性の関係性を研究した.熱分解生成物ばかりではなく,高分子材料の分子量が大きな影響を与えることを見いだした.分子量の違いによって燃焼状態が異なり,分子量の高い試料と低い試料では熱分解後の分子量分布の変化が異なること,特定の燃焼条件下ではある特定の分子量において燃焼しないということが明らかになった.ポリオレフィン類およびポリスチレンのように社会で大量に使用されているプラスチックにおいて,構造的に燃焼しないものが発見されたことは今後安心安全な社会の進展に大きく寄与する.