著者
市野 良一
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は,ネオジム磁石(Fe-Nd-B合金)に使用されているNdやDyなどの希土類元素の安定確保という観点から,使用済み磁石や磁石スクラップからの希土類元素のリサイクル技術の開発である.450℃の溶融塩中に,廃磁石からNd,Dy元素のみを選択的に溶出させることにより,Fe-Bは固体として回収し,一方,浸出したNd,Dyは溶融塩電解により陰極上に金属として回収する.電解浴である主要溶融塩成分を除外して考えると,溶融塩中の希土類元素は98%以上であり,鉄は2%以下であり,希土類を選択的溶出できた.一方,この溶融塩を用いて電解したところ希土類元素の組成が95%以上の析出物が陰極上に得られた.
著者
中島 江梨香 上野 智永 市野 良一 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.159-168, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
34
被引用文献数
2

高分子材料の欠点である燃焼性を克服するために,高分子材料の熱分解と燃焼性について研究を行ってきた.高分子化合物の熱分解は,主鎖のランダムな分解,あるいは高分子鎖の末端で三量体などの化合物を生成する場合,解重合が起きる場合がある.本報では,ランダム開裂とともに末端の特定部位からの開裂が同時に起こる,ポリプロピレンとポリスチレンについて熱分解と燃焼性の関係性を研究した.熱分解生成物ばかりではなく,高分子材料の分子量が大きな影響を与えることを見いだした.分子量の違いによって燃焼状態が異なり,分子量の高い試料と低い試料では熱分解後の分子量分布の変化が異なること,特定の燃焼条件下ではある特定の分子量において燃焼しないということが明らかになった.ポリオレフィン類およびポリスチレンのように社会で大量に使用されているプラスチックにおいて,構造的に燃焼しないものが発見されたことは今後安心安全な社会の進展に大きく寄与する.
著者
興戸 正純 市野 良一 黒田 健介
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

銅,ニッケルなどのコモンメタルのナノサイズ粒子を液相還元法により合成した.反応パラメータの最適化を図り,反応機構を明らかにした.アスコルビン酸,次亜リン酸,硫酸チタン(III),水素化ホウ素ナトリウムの4種類の還元剤において,還元力(ΔE)が大きいものは粒子サイズを小さくする駆動力があることを定量的に示した.水酸化銅を前駆体として硫酸銅と強い還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを用いpH12, 30分の反応において30 nm径の銅微粒子を得ることができた.弱い還元剤のアスコルビン酸と硫酸銅を用いテンプレートになるCTBAの濃度を増加させると,析出する金属は粒状,針状,平板状と変化した.反応過程を混成電位図より電気化学的に議論した.