著者
小池 徹 中島 紀子 奥村 英晴 奥村 秀信
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.14-21, 2011-03-20 (Released:2013-03-18)
参考文献数
20

化粧品において「触感」は重要な因子であり,その触感に大きな影響を与える皮膚の柔らかさに関する報告は多い。たとえば角層の柔軟性には,水分が大きな影響を与えていることが広く知られており,その詳細なメカニズムの解明も進んでいる1)。一方,「エモリエント」という言葉が業界に古くからあるように,油剤が皮膚へ柔軟性を与える効果も広く認められている。しかし油剤による柔軟効果に関して,具体的にどのような機構で働いているのかという点を追究した報告が少ない。そこで今回は液状油に注目し,皮膚への柔軟化機構を力学的ならびに官能的に検討した。その結果,塗布された液状油によって細胞間脂質層が柔らかくなり,これが角層に影響を与えていることが示唆された。また官能的に「感じる」柔らかさは必ずしも力学的な柔軟化傾向とは一致しておらず,ほかにも摩擦等の表面特性が関与していることが示唆された。よって,肌を柔らかくする,または感じさせる効果を化粧品で十分発揮するためには,両方の側面からアプローチすることが有効であると考えられた。
著者
野本 ひさ 河野 保子 永松 有紀 平澤 明子 吉村 裕之 中島 紀子
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

男性で在宅介護を行っている人の実態を調査した。男性介護者は女性に比べて強い意志決定の元に介護を担っていることが判明した。介護を経験する前の夫婦を対象にした夫婦間介護意識調査を実施した。配偶者の介護をしようと考える気持ちは夫婦の関係性、夫の家事参加、夫婦間トラブルの頻度に依拠していることが判明した。夫婦間介護意識は、実際に介護を行っている者も介護を行う以前も夫と妻で違いがあり、特に夫の介護意志決定には男性特有の意地・遠慮やそれまでの夫婦の関係を償おうという思いが反映していた。