著者
樫村 淳 原 喬 中島 良和
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.117-122, 1993 (Released:2010-02-22)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

パラチノースオリゴ糖 (以下IBOと略す) 摂取がヒトの糞便中の腸内腐敗産物 (インドール, スカトール, p-クレゾール, フェノール), アンモニア, 有機酸 (コハク酸, 乳酸, ギ酸, 酢酸, プロピオン酸, イソ酪酸, 酪酸, イソ吉草酸, 吉草酸) 含量およびpH, 腸内フローラ, 発がんに関係すると注目されているβ-グルコシダーゼ, β-グルクロニターゼ活性に及ぼす影響について検討した。健康なボランティア7名にパラチノースオリゴ糖を1日20g摂取させた。試験期間は20日間で最初の10日間をコントロール期, 次の10日間を摂取期間とした。食事はすべてのボランティアにコントロール期の10日間と摂取期10日間同しメニューを摂取させ, その量については各ボランティアごとに各期で同量とした。各期間の5日目と7日目に新鮮便を回収し, それぞれ測定した。IBO摂取により, アンモニアと腸内腐敗産物のインドール, p-クレゾールが, 統計的に有意ではなかったが減少し, とくに便秘症のボランティアには顕著であった。また有機酸は乳酸, 酢酸, ギ酸が有意に増加した。腸内フローラはBifidobacteriumが有意に増加する一方, Bacteroidaceaeが有意に減少した。また腸内腐敗菌として知られるウェルシュ菌 (Clostridium perfringens) がIBO摂取により検出されなくなった。またpHはIBO摂取により有意に低下した。β-グルクロニダーゼ活性には著しい変化は認められなかったが, β-グルコシダーゼ活性はIBO摂取により有意に上昇した。
著者
中島 良和 杉谷 俊明 田中 睦夫 藤井 聰
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.554-558, 1990
被引用文献数
10

シナノキの蜂蜜から,ゲル濾過,イオン交換樹脂クロマトグラフィおよびHPLCを用いてトレハルロース(1-O-α-D-g1ucopyranosyl-D-fructose)を分離し,TLCおよび13C-NMRにより同定した.トレハルロースの存在は日本国内の蜜源植物7種類に由来する蜂蜜試料9点で確認され,その含有率は蜂蜜固形分の0.5から2.5%であった.