著者
佐仲 雅樹 瓜田 純久 中西 員茂 中嶋 均
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 = An official journal of the Japan Primary Care Association (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-305, 2012-12-21
参考文献数
46

<b>要 旨</b><br> 経験豊富な医師や看護師は, 一見軽症と映る患者に対して直感的に「重症感」を抱くことがある. このような直感的判断の重要性は広く認識されているが, いまだ経験則と言わざるを得ない. そこで我々は本稿において, 「重症感」の具体的意味を考察し, 1つの病態生理学的/症候学的モデルを提唱した. このモデルに基づいて言語化すれば, 重症感とは, 病態生理学的には「生体のホメオスタシスが破綻する前兆」であり, 症候学的には「急性に発症する全身性自律神経反応とacute sickness behavior」である. 重症感という直感を言語化し, 研修医や新人看護師に伝えることは, 「危険な患者」の見逃し防止につながると考えられる.
著者
佐仲 雅樹 安食 元 江川 直人 門馬 久美子
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.1462-1472, 2009 (Released:2012-07-17)
参考文献数
27

本稿では主として内視鏡初級者を対象に,以下の点を強調しながら,上部消化管出血に対する内視鏡止血の基本的手技を解説する.1)循環動態の評価と安定化が最優先される.初期輸液によって迅速に循環動態を安定させることが救命率向上につながる.循環動態が不安定な例では内視鏡は禁忌である.2)緊急であるからこそ,通常の検査以上に丁寧にスコープを操作する.嘔吐反射を誘発しないように過度な送気を慎む.3)適切な視野を確保することが内視鏡止血を成功させる鍵である.4)内視鏡止血が困難と判断したら,時期を逸することなくinterventional radiology(IVR)や緊急手術を選択する.
著者
佐仲 雅樹 瓜田 純久 中西 員茂 中嶋 均
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-305, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
46

要 旨 経験豊富な医師や看護師は, 一見軽症と映る患者に対して直感的に「重症感」を抱くことがある. このような直感的判断の重要性は広く認識されているが, いまだ経験則と言わざるを得ない. そこで我々は本稿において, 「重症感」の具体的意味を考察し, 1つの病態生理学的/症候学的モデルを提唱した. このモデルに基づいて言語化すれば, 重症感とは, 病態生理学的には「生体のホメオスタシスが破綻する前兆」であり, 症候学的には「急性に発症する全身性自律神経反応とacute sickness behavior」である. 重症感という直感を言語化し, 研修医や新人看護師に伝えることは, 「危険な患者」の見逃し防止につながると考えられる.