著者
安藤 寿浩 中川 清晴 蒲生西谷 美香
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1447-1451, 2001-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
17

気相合成法によるダイヤモンド薄膜の倉成が行われるようになっZ以来,ダイヤモンド薄膜の応用覇究が盛んになり,また不純物の制御による半導体ダイヤモンド結aeqを利用した実用化研究も注目されZいる1,2).ダイヤモンド半導体はそのバンドギャップの広さゆえ表面伝導性,表面の負性電子親和性などの特異な性質を発現する.QVO法による不純物のh一ピング,ホモ/ヘテQエピタキシー,表面伝導,電子親和性の制御,すべてダイヤモンド表面の関わる重要な研究課題である.また最近Zは電気化学分野での電極応用,DNAの固定などの生体関連材料との融合,触媒担体への応用,カーボンナノチューブとの複合化といった新たな分賢で材料としてダイヤモンドを用いる場合のダイヤモンド表面の重要性が増している.ダイヤモンドはいうまでもなく炭素単体の典型的な結最であり,炭素原子;を中心とする有機化合物の延長でもある.本稿では,ダイヤモンド,特にその表面を無機結晶固体と有機化合物のインターフェースであるとの考えから,ダイヤモンドの結晶成長および表面科学の研究の一部を紹介する.
著者
鈴木 俊光 中川 清晴
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.66-79, 2011-03-01
参考文献数
44
被引用文献数
6

世界で最初に,ダイヤモンド微粒子を触媒担体に用いるいくつかの触媒反応を行った。ダイヤモンドは長年安定な物質と考えられていたが,その表面は水素や酸素と反応し,C–H結合や,C–O–C,C=O結合などが最表面に生成することが知られるようになった。我々は,酸素で表面処理したダイヤモンド(酸化ダイヤ,以下O-Diaと呼ぶ)を触媒担体に用いて,金属酸化物,金属を担持した触媒を調製し,次の反応にO-Dia担持触媒が高い活性を示すことを見出した。本論文では以下の反応に関する著者等の研究をまとめた。(1)酸化クロム/O-Dia触媒によるエタン,プロパンなどのアルカンの脱水素反応,(2)酸化バナジウム/O-Dia触媒によるエチルベンゼンの脱水素反応,(3)メタン,エタンの酸化バナジウム/O-Dia触媒上での二酸化炭素を酸化剤とする酸化反応によるアルデヒド生成反応,(4)Ni/O-Dia,Co/O-Diaを用いたメタンの部分酸化による合成ガス生成反応,(5)NiまたはPd/O-Dia触媒上でのカーボンナノフィラメント生成反応,(6)Ru/O-Dia触媒によるアンモニア合成反応。