著者
福岡 範恭 山田 広行 安心院 康彦 池田 尚人 尾方 純一 杉田 学 髙松 純平 中村 光伸 溝端 康光
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.580-586, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
5

救急隊員による病院前救護における疾病の観察・処置の標準化として『PEMECガイドブック2017』が出版されて以降,PEMECコースが開催されている。本稿ではコース概要と開催状況,参加者より得た意識調査結果から今後の課題について考察し報告する。2018年10月までに行われたコース受講者196名に意識調査を実施した結果,184名から有効な回答が得られた。全体的な評価で「よい」と回答した75名(40.7%)を高評価群,「まあよい」「普通」「あまりよくない」と回答した109名(59.2%)を低評価群に分類し,全体の評価に強く影響を与えたコースプログラムの各項目をロジスティック解析により分類した。その結果「アルゴリズムの理解」「インストラクターの知識」「インストラクターの解説」が評価に関連する主要な因子として明らかになった(p<0.05)。コース内容は,概ねよい支持を得ているが,インストラクターの教育技能を向上させること,アルゴリズムの理解を深める指導の必要性が示された。
著者
中村 光伸 井原 則之 荻野 隆史 浜田 邦弘 飯野 佑一
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.113-117, 2006 (Released:2006-09-27)
参考文献数
11

【背 景】 近年, 自殺企図患者が増加している. 群馬大学医学部附属病院救急外来における自殺企図症例について分析した. 【対象・方法】 平成16年1月から12月に当院救急部に搬送, 受診された自殺企図患者の診療録を調査した. 【結 果】 当該期間に受診した全救急患者数は4068例であり, そのうち自殺企図症例は47例で, 複数回受診した患者は4名であった. 年齢別では男女共に20代が最も多く, ついで男性は50代, 女性は30代であった. 自殺企図に用いられた手段として薬物・毒物が27例, 刃物を用いての自傷15例, 縊頸が4例, 高所からの投身未遂が1例であった. 外来診察にて帰宅可能であった症例は23例であり, 入院が必要な症例は20例, 救急外来での死亡は4例であった. 【結 語】 自殺企図患者の診察には精神科医との連携が重要である. また, 中高年の自殺企図も多く, 社会的な問題も懸念される.