著者
角 保徳 道脇 幸博 三浦 宏子 中村 康典
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.366-371, 2002 (Released:2014-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2

高齢者の口腔ケアの自立度は徐々に低下し, 介護者による日々の口腔ケアの役割は重要となってきている。しかし, 介護者の時間的制約, 他人の歯を清掃する技術的困難さ, 要介護高齢者の協力が得られないことおよび口腔ケアの必要性の知識の欠如により, 介護者による口腔ケアは必ずしも適切に提供されていない。本研究の目的は, 介護者の負担を軽減するような要介護高齢者への簡便で有効な口腔ケアシステムを評価することにある。対象者は25名の要介護高齢者とその介護者である。8週間の口腔ケアシステムを施行した後, 歯垢指数, 歯肉指数を評価し, 同時に口腔ケアシステムを提供するに当たっての利点, 欠点, 負担度および疲労度を質問した。その結果, 1日1回の口腔ケアシステムによって歯垢指数, 歯肉指数は施行前に比較して有意に低下した。さらに, アンケート調査により介護者の負担度および疲労度は低下した。今回評価した口腔ケアシステムは, 要介護高齢者の口腔衛生向上に有効であり, 介護者の負担を軽減する事が確認された。
著者
松元 秀次 川平 和美 下堂薗 恵 衛藤 誠二 緒方 敦子 中村 康典
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、神経筋電気刺激療法を用いて嚥下に関する筋群を刺激することで、嚥下障害に対する新しい治療法の確立を図った。嚥下障害と診断された患者に対して、電気刺激療法を用いて治療することで、安全性の確認とともに訓練効果を舌骨や喉頭の動き、嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査などで確認することができた。得られたデータを学会で発表し、論文にまとめて採択に至った。嚥下障害患者への新しい治療法の一つになると考えられ、さらには誤嚥性肺炎予防につながると考えられる。