著者
大串 旭 大西 俊輝 田原 陽平 石井 亮 深山 篤 中村 高雄 宮田 章裕
雑誌
グループウェアとネットワークサービスワークショップ2021(GN Workshop 2021) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1-8, 2021-11-12

日常生活において褒める行為は大切なコミュニケーションである.褒め方の上手さを向上させるためには自分自身の褒め方の上手さを把握することが必要であると考えられるが,自分自身の褒め方の上手さを把握することは困難である.これより,我々は褒め方の上手さを評価するシステムの構築を目指す.この目標を達成するためには,褒め方の上手さを推定できる機械学習モデルの構築が必要である.そこで本稿では,話者(褒める人,褒められる人)の発話内容から,褒め方の上手さを推定できるか明らかにする取り組みを行う.はじめに,話者の発話内容として BERT でベクトル変換したものを言語特徴量として抽出した.次に,抽出した言語特徴量を用いて褒め方の上手さの評価値を推定する機械学習モデルの構築を行った.最後に,話者の発話内容をどのように利用すれば上手い褒め方を推定できるのか分析を行った.その結果,分類モデルにおいては褒める人の発話のみを利用したモデルの精度が最もよく,回帰モデルにおいては褒める人の発話とその後の褒められる人の発話を利用したモデルの精度が最もよくなることが確認できた.
著者
富岡 淳樹 小川 宏 中村 高雄 高嶋 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.618, pp.25-30, 1999-02-25
被引用文献数
1

本稿では音声データに対する電子透かし、中でも周波数成分値の量子化による電子透かし埋め込みアルゴリズムについて、種々のパラメータを変化させ、最適な値を求めることを目的とする。ここでいうパラメータとは周波数変換時のブロックサイズや量子化の際の量子化ステップ、埋め込み周波数帯域などを指し、透かし埋め込み後のSNR、非可逆圧縮後における透かし情報の存続率がこれらパラメータの変動によってどのように変化するかを調べ、最適なパラメータを検討した。実験の結果、音声の電子透かしにおける最適なパラメータは画像への電子透かしとは異なるという結論を得た。
著者
中村 高雄 片山 淳 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2145-2155, 2004-12-01
被引用文献数
18

電子透かし技術の応用として,印刷物などのアナログ画像中に埋め込まれている透かし情報を読み取り,アナログ情報からディジタル情報に導くシステムが提案されている.本論文では,近年普及してきたカメラ付携帯電話機を上記システムの端末として適用する際に必要となる,高速処理可能な電子透かし検出方式を提案する.提案方式は棒線を利用した幾何ひずみ補正方法と,微少な幾何ひずみと雑音に対するロバスト性をもつ高速な電子透かしアルゴリズムにより構成される.また,サービス運用上必要となる検出透かし隋報の信頼性についても定量評価方法を示す.実験の結果から,比較的計算処理能力の低い携帯電話機上で動作するJava Applicationとして提案方式を実装した場合でも,1秒程度の処理時間で処理を行うことが可能であることを示し,提案方式の有効性を確認できた.
著者
片山 淳 中村 高雄 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.1035-1046, 2005-06-01
被引用文献数
15

我々はカメラ付き携帯電話により種々の媒体から電子透かしをリアルタイムに検出し, 検出した情報に関連するWebページ, 動画, 音楽をユーザに提示するシステムを構築した. 撮影画像はオリジナル画像に回転, スケーリング, あおり変換を統合した平面射影変換が加わっているため, 電子透かし検出の前処理として逆変換を行いオリジナル画像と同じ幾何形状に戻す必要がある. 逆変換パラメータを求めるための特徴点として画像外形コーナを検出する場合, ハフ変換による外形直線検出やコーナパターンマッチングなどの一般的な画像処理アルゴリズム利用では携帯電話端末内のiアプリ処理系で数十秒〜数十分を要し実用的ではない. 本論文では, ハフ変換やパターンマッチングに比べてiアプリ上の処理時間が1/100以下で画像外形コーナを探索可能なSide Trace Algorithm(STA)を提案し, 携帯電話端末実機を用いた評価実験によりその性能を実証した.