- 著者
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中西 泰夫
- 出版者
- 専修大学経済学会
- 雑誌
- 専修経済学論集 (ISSN:03864383)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.3, pp.31-38, 2019-03-15
政府による規制の緩和が,生産性の上昇をもたらすかどうかは,各国の市場において重要なテーマであり,定量的にテストされることが必要とされている。特に生産性の上昇を計測することが,まず重要である。この論文では生産関数を推定して,そこから生産性の上昇率をもとめている。その際に近年重要になっている内生性の取り扱いに,十分な配慮をして,最新の方法を含んだいくつかの手法で計算している。そして,規制の緩和が生産性の上昇にどれだけ貢献しているかを,パネルデータをつかって推定することによりもとめている。内生性の排除について適切な方法で処理しており,より正確な方法であると考えられる。分析の結果は,生産関数は内生性を考慮した方法により,有意なパラメータの推定結果を得た。したがって内生性の処理をされた生産関数の推定には成功している。規制緩和に関しては,規制緩和が生産性の上昇に有意に貢献しているという結果を得ているが,その際の規制緩和に関する推定方法については,まだ検討の余地が残されており,結論はつけられない。