著者
中谷 祥恵
出版者
城西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

中年期に体に脂肪がつきやすいのに対し、骨密度は減りやすい現象の原因は、間葉系幹細胞が脂肪になる力は維持しているのに対し、骨の細胞になる力が先に衰えることが原因の可能性があると考え、そのメカニズムや予防法を明らかにするための研究を行います。本研究は間葉系幹細胞を標的とした生理活性ペプチドを用いて、骨粗鬆症と肥満を同時に予防する方法を開発するための基盤研究となります。
著者
中谷 祥恵 藤井 彬 古旗 賢二
出版者
ファンクショナルフード学会
雑誌
Functional Food Research (ISSN:24323357)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.14-18, 2018 (Released:2019-03-15)
参考文献数
29

骨髄中の体性幹細胞には間葉系幹細胞 (Mesenchymal Stem Cell : MSC) や造血幹細胞 (Hematopoietic Stem Cell : HSC) などが存在している.MSC は主に骨芽,脂肪,軟骨細胞への分 化能を有し,HSC は血球系の細胞や破骨細胞などに分化する. 従来,体性幹細胞は外部環境から隔絶したニッチに存在しているため,加齢に伴う外部環境変化 の影響を受けにくいと考えられていた.しかし,最近の研究で,加齢による骨髄環境の変化が骨髄 中の体性幹細胞の性質を変化させ,結果として骨密度を低下させることが明らかになってきた.ま た,加齢だけではなく生活習慣病や食生活によっても体性幹細胞の性質が変化することも明らかに なってきたので紹介する.
著者
真野 博 清水 純 任 良? 中谷 祥恵 野口 有希 増田 和成 和田 政裕 Mano Hiroshi / Shimizu Jun / Im Ryanghyok / Nakatani Sachie / Noguchi Yuki / Masuda Kazunari / Wada Masahiro マノ ヒロシ シミズ ジュン Im Ryanghyok ナカタニ サチエ ノグチ ユキ マスダ カズナリ ワダ マサヒロ
出版者
出版者:日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.177-183,
被引用文献数
3

DNAマイクロアレイ解析法を用いることで, 沖縄伝統野菜ニガナ (Crepidiastrum lanceolatum) を摂取させた実験動物の肝臓では, 遺伝子発現パターンが大きく変動していることを明らかにした。特に, ニガナは強力なエリスロポエチン (EPO) 遺伝子発現誘導活性を有していることがわかった。このことから, ニガナの摂取は体内のEPOタンパク質産生を上昇させる可能性が考えられた。さらに, Potential Free Energy (pF) 1.5, pF 1.8, pF 3.0の条件で灌水量を調節し, 成分量 (栄養成分や硝酸態窒素) を変化させ, 品質を改良したニガナを作製した。3種類のニガナのうちpF 1.5の灌水量条件で栽培したニガナは, 硝酸態窒素含量およびカリウム含量が比較的少なく, その他のビタミンやミネラル含量は他と同程度であったが, EPO遺伝子誘導活能が最も高かった。本研究の結果, 食品を投与した実験動物を用いたDNAマイクロアレイ解析は, 食品の新たな品質設計技術の一部として有用であると考えた。