著者
倉澤 茂樹 立山 清美 岩永 竜一郎 大歳 太郎 中谷 謙 横井 賀津志
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.34-41, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)
参考文献数
14

日本の診療データを使用してASD の診断年齢を種別に検討した.結果,解析対象者(7,779 名)の診断年齢は平均7.3±4.3 歳,最頻値3.0 歳,中央値6.0 歳であった.性比は3:1 であり男性に多かった.ASD の診断年齢に関して,全ての種別において性差は認められなかった.アスペルガー障害は他の種別と比べ,いずれも診断年齢が高く,診断される時期に明確なピークは示されなかった.年別の比較では,小児自閉症のみ早期に診断される経年変化が認められた.本研究は,アスペルガー障害の早期診断を可能にするためのシステムおよびツールの開発,小児自閉症に対する適切な早期の介入方法の開発およびサービス供給の必要性を示すものである.
著者
中谷 謙 倉澤 茂樹 森 尚彫 不破 真也 酒井 希代江 森岡 悦子 中俣 恵美 大歳 太郎
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.77-84, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)
参考文献数
18

特別支援学校における専門職種の就業状況を把握することを目的として,全国の特別支援学校を対象に質問紙法による調査を実施し,言語聴覚士の就業状況に焦点をあてて検討した.就業状況,実働時間,学校の区分や特性等との関連性について解析した結果,言語聴覚士は,常勤数・非常勤数,実働時間数ともに少なく,就業状況は,生徒数が多い学校,聴覚障害,小学部において有意に多く,病弱,視覚障害では有意に少なかった.言語聴覚士が特定の学校や区分に集中して実働している状況が推察された.本検討の結果,連携促進のために,言語聴覚士の認知度の向上や言語聴覚療法の対象領域と専門性の理解を促す取り組みが必要と考えられた.