著者
丸山 弘明 高寺 恒慈 佐藤 恵理子 跡部 昌彦 片桐 孝夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.166, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】炊飯における浸水条件は、米飯中の還元糖量やアミノ酸量を変化させるが、その際、クエン酸などを添加して、pHを低下させるとこれらの成分が増加することが知られている。そこで、本研究では、クエン酸を豊富に含むレモン果汁を添加することで、炊飯後の米飯の成分、官能特性および機器測定による物性がどのように変化するかを検討した。 【方法】平成21年愛知県産コシヒカリの精白米およびクエン酸を7%含む広島県産レモン果汁製品を試料とした。洗米後、レモン果汁0.7%(v/v)含む水を米重量の1.5倍量加え、室温で2時間浸水後、電気炊飯器で炊飯した。炊飯後の米飯の50%エタノール抽出物について、全糖量、グルコース量、全アミノ酸量をそれぞれフェノール硫酸法、酵素法、ニンヒドリン法により測定した。官能特性については、2点識別試験法によって、香り・味・食感について評価した。また、機器測定による物性に関しては、テクスチャーアナライザーで荷重測定を行った。 【結果】レモン果汁を添加した米飯の糖類および全アミノ酸は、レモン果汁無添加の場合と比較して、ともに有意に増加した。官能特性においては、レモン果汁無添加の場合と比較して、食感に違いがみられた。機器による物性測定では、レモン果汁を添加した米飯のほうが硬く、弾力が強いことが示された。
著者
中島 美樹 丸山 弘明 跡部 昌彦
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】レモンジュースの香味特性は、原料果実の産地、収穫時期や搾汁方法、殺菌方法などの違いで変化し、現在、市場にも様々な香味特性を有する商品が存在する。本研究では、これら市販レモンジュースが、どういった香味特性を有するのか評価し、さらに、これらの香味特性が製菓調理後の香味特性と、どう関係するのか解析した。平成23年度大会では、第1報として、レモンジュースの配合量を合わせて試作した、ゼリー、ベイクドチーズケーキでの結果を報告した。今回は、添加するレモンジュースの酸度が同一になるように、添加量を調整して試作し、同様に香味特性を評価、解析した結果を報告する。【方法】市販レモンジュース(22品)、青果レモンを搾ったもの(2タイプ)について、官能評価による香味評価を行なった(第1報)。その結果で特徴的であった市販レモンジュース(7~8品)を用いて、焼き菓子(ベイクドチーズケーキ、マドレーヌ)を試作し、官能評価による香味評価を行なった。官能評価は両極7段階尺度法で評価した。 【結果】<ベイクドチーズケーキ>レモンの添加量を統一した第1報では、レモンジュースの香り特性は、チーズケーキの評価では区別されなかった。しかし、酸度によって添加量を調整した今回は、レモンの香り特性の一つである「レモンの果皮の香り」と「レモンの果肉の香り」が、チーズケーキの評価で区別された。また、「レモンの果皮の風味」「レモンの青っぽい風味」の強いレモンジュースは、チーズケーキの「チーズの風味」を弱く感じさせることが確認できた。<マドレーヌ>「後引く感じ」の強いレモンジュースは、マドレーヌの「バターの風味」「卵の風味」を弱く感じさせることが確認できた。