著者
和田 靖之 北島 晴夫 久保 政勝
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-40, 1998-02-28
参考文献数
16
被引用文献数
1

Shwachman症候群が疑われた1男児例を経験した.患児は軽度の膵外分泌機能障害を呈し,さらに末梢血好中球数の著明な低下がみられ,呼吸器感染症を反復していた.患児の好中球機能は<i>in-vivo</i>, <i>in/vitro</i>ともに遊走能に障害を認め,患児の好中球自体の障害と考えられた.入院後,さまざまなウイルス感染症に罹患した後,末梢血の好中球数が増加した.さらに患児の膵外分泌機能障害も徐々に改善がみられている. Shwachman症候群はわが国では稀な疾患であるが,本症例の経過よりわが国ではさまざまな亜型の存在も考えられた.