著者
福田 勉 久保 義直
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

海洋天然物ラメラリンα 20-サルフェートは、HIV-1インテグラーゼをIC50値 22 μMで選択的に阻害するとともに、実際の標的細胞に対するHIV-1ウィルス感染をIC50値 8 μMで抑制することが知られている。一方でHeLa細胞に対するMTTアッセイから、ラメラリンα 20-サルフェートのLD50値は274 μMと低毒性であることも報告されている。このようなラメラリンα 20-サルフェートの特徴から新たな抗HIV剤のリードとして期待されるにも関わらず、これまでに構造活性相関研究はほとんどなされてこなかった。そこで本研究では、研究代表者らが開発した合成戦略を用いてラメラリンサルフェート類縁体の効率的な合成を行った。また構造活性相関研究から、ラメラリン五環性骨格並びにスルホ基が抗HIV-1活性に必要であることを見出した。さらに共焦点レーザー走査型顕微鏡による分析と細胞膜-細胞膜融合実験から、ラメラリンサルフェート類の抗HIV-1活性は、以前に提唱されていたインテグレーションの段階というよりウィルスの侵入段階の阻害によるものであることが示唆された。