著者
戸田 貴子 大久保 雅子 千 仙永 趙 氷清
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.32-46, 2018 (Released:2020-08-26)
参考文献数
13

本研究では,大規模公開オンライン講座 (MOOCs) における発音の相互評価について分析する。本講座は,世界中の日本語教育関係者に向けて無料配信されており,170の国や地域から登録した受講者は35,000名を超えている (2018年5月17日現在)。本研究は,受講者が相互評価に継続的に参加できたのか,コメントにはどのような特徴があったのかを明らかにすることを目的とする。 分析の結果,以下のことが明らかになった。1) 受講者の相互評価への継続参加率は高かった。2) 相互評価に継続参加した受講者は,具体性の高いコメント (問題点,修正方法の指摘) を継続して書く傾向がみられた。また,最初は具体性の高いコメントができなかった受講者も,継続参加することによって具体的な指摘ができるようになっていった。 以上の結果から,オンライン上でも発音学習の継続が可能であり,相互評価が受講者の学びを促すことが示された。
著者
溝口 勲 三上 理一郎 工藤 翔二 小久保 雅子 今関 鎮徳
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染研究 (ISSN:21863687)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.485-492, 1976

During the summer of 1975, effects of photochemical oxidants and other factors on health of schoolchildren and students were investigated in Saitama Prefecture, northern suburbs of Tokyo metropolitan area. The levels of each air pollutant and meteorological foctor were divided to 4, 5, 6 or 8 ranks and ratios of ones who had acute complaints to person days were compared with each other.<BR>Oxidant concentration most closely related to the ratio. The incidences stepwise increased from 0.02% to 0.3%, 3% in accordance with the elevation of oxidants levels (-0.07 ppm, 0.12-0.19 ppm, 0.20 ppm-). The levels of SO<SUB>2</SUB>, NO<SUB>2</SUB>, SPM and visibility related to the incidences to some extent. When SO<SUB>2</SUB>, NO<SUB>2</SUB> and SPM levels exceeded 0.07 ppm, 0.10 ppm and 0.2 mg/m<SUP>3</SUP> respectively and visibility lowered 3 km in this region, the incidences clearly increased. High temperature and discomfort index, however, were not always connected with high incidences. In addition, the weather of days when high incidences were found was slightly cloudy, and in rainy or clear days such results were not at all seen.
著者
矢内 俊裕 久保 雅子
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.62-69, 1998
被引用文献数
1

Peutz-Jeghers症候群の兄弟例を呈示し, 小腸ポリープに対する手術を中心に報告する.症例1は8歳の男児(弟)で, 1歳時に直腸ポリープ切除, 5歳時に小腸ポリープによる腸重積症のため小腸部分切除の既往がある.嘔吐・腹痛を主訴に来院, 腹部超音波検査にて小腸ポリープによる腸重積像を認め, 観血的整復・空腸部分切除を施行した.先進部にはφ7mm&acd;2cm大のポリープが6個集蔟しており, 組織学的には過形成であった.症例2は15歳の男児(兄)で, 13歳時より大腸・胃の内視鏡的ポリペクトミーの既往がある.小腸造影にてφ3cmと4cm大の空腸ポリープを2個認め, 開腹ポリープ切除を施行した.組織学的には過形成であった.術中全小腸内視鏡検査では回腸に小ポリープが散在していた.本症の予後因子は腸重積と悪性腫瘍であり, 再手術回避のためにも, 小腸ポリープで開腹の際には他の部位の小腸ポリープに対する術中内視鏡検査とその切除も考慮すべきである.