著者
久田 隆基
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.153-165, 1980-07-30 (Released:2018-01-07)
被引用文献数
1

本稿では,現行の中学校理科教科書(3社)の中で用いられている,程度や量を表すことば(大きい,多い,高い,強いなど)の使われ方についての調査結果と,それらの意味・用法についての分析結果を報告する。調査の結果,事象の程度や量は,大半のものが「大きい・小さい」とその他の形容詞との両者で表されるということ,一部のものは「大きい・小さい」のみで表されるということ,また。一部のものは「大きい・小さい」以外の形容詞で表されるということがわかった。さらに,同じ1つの事象の程度や量を表す場合,いく通りもの表現が見られる用例もいくつかあることがわかった。用例の分析から判断すると,中学校理科教科書においては,これらのことばの使い方については注意が払われていないように思われる。程度や量を表すことばを科学用語とからめて検討することの必要性を指摘した。
著者
久田 隆基
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.43-53, 1981

事象のある特定の状態や関係を示すときに使われる「一定」と事物の異同関係を示す「同じ」,「等しい」などの用語の意味・用法を明らかにするために,3種類の中学校理科教科書を用法のモデルとして,それらの中で使われている各用語の用例を調べた。各用語の用例から,意味・用法の分析を行なったところ,「同じ」と「等しい」は,大まかに分けて,それぞれ2通り,また「一定」は4通りの意味に使われていることがわかった。各用語の用法についての明確な規則性は見い出されなかったが,各用語の主体となっている語の種類によって,それぞれの用語の使い方に制限があることがわかった。理科で多く使われ,多義的であり,また用法も複雑であるこれらのような用語の意味・用法は科学的読み書き能力の育成という観点からも,理科教育の中で教えられるべきであることを示唆した。
著者
久田 隆基
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.43-53, 1981-01-31 (Released:2018-01-21)

事象のある特定の状態や関係を示すときに使われる「一定」と事物の異同関係を示す「同じ」,「等しい」などの用語の意味・用法を明らかにするために,3種類の中学校理科教科書を用法のモデルとして,それらの中で使われている各用語の用例を調べた。各用語の用例から,意味・用法の分析を行なったところ,「同じ」と「等しい」は,大まかに分けて,それぞれ2通り,また「一定」は4通りの意味に使われていることがわかった。各用語の用法についての明確な規則性は見い出されなかったが,各用語の主体となっている語の種類によって,それぞれの用語の使い方に制限があることがわかった。理科で多く使われ,多義的であり,また用法も複雑であるこれらのような用語の意味・用法は科学的読み書き能力の育成という観点からも,理科教育の中で教えられるべきであることを示唆した。