著者
齊藤 智樹 熊野 善介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.51-56, 2015 (Released:2018-04-07)
参考文献数
19

著者らは,科学教育研究における科学的な研究方法論についての研究の手始めとして,NRC(National Research Council, 2002)が示した科学的原則や研究デザイン(計画)の原則を示し,それがいわゆる自然科学と何ら変わらないことを示した.同様に,混合研究法(Creswell・Plano Clark, 2007)にまつわる哲学から,量的な検討や質的な検討のどちらを採用しているかといった方法論が,研究を科学的なものにしている訳ではないことを指摘し,プラグマティズムの基礎となる可謬主義から,現代的教育課題とその実践的・実証的研究との関連性を述べた.また,アクション・リサーチ(Action Research)とデザイン研究(Design-based Research)の比較から,これらを理論的枠組みと捉え,議論可能な文法を持った方法を構築し,その方法論を議論していくという,これからの科学的な教育研究の方向性について考察した.
著者
熊野 善介 岡田 拓也
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.53, 2006-11-19

子ども達に科学に対する興味、関心を持ってもらおうと地域科学教室や科学の祭典などが多く開かれている。しかしこれらの活動は単発的であり、興味関心を持続させる継続的な学習の場が十分に確保されているとはいえない。その問題点を克服しようとするのが「どきどき科学探究教室」である。今回で三回目となるこの教室は、終日かけて科学者と触れ合い、夏休みの研究の相談、支援をすることが特徴である。この教室の報告を行い、これからの学校外科学教育のあり方を考える。
著者
奥村 仁一 熊野 善介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.21-29, 2016 (Released:2016-04-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1

According to the course of study for high school biology, the purpose of study is to develop inquiry ability and positive attitudes toward science through experiments and observations. However, because of increased access to the virtual world, modern high school students have had less contact with nature in their childhood. Therefore, it has become harder for them to have an concrete understanding of biological concepts. This makes it difficult to see the relevance of living things and biological phenomena in class.Many high school students would not believe that egg embryos could become fully hatched birds with only a 34- or 46-hour incubation period, even with careful observation. Therefore we developed lesson plans not only to observe avian embryos, but also to continue incubation until the eggs hatched. We also made students study about egg incubation methods themselves using Bio-STEM ideas.As a result, these inquiry lessons did not only encourage expansion of the students’ biological knowledge, but also generated ideas connected to STEM fields. We found them to be effective in the promotion of learning aims in the context of Japan. They also brought cross-cutting scientific thoughts, similar to the context of United States STEM education, to our local classrooms.
著者
坂田 尚子 熊野 善介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-13, 2006-03-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
27
被引用文献数
6

Science Education in Japan begins only at 3^<rd> grade in Elementary school. Prior to this, children from the ages of 3 to 8 receive no formal science education or school-science education. In this research, the main focus is on the development of a vision for design of early childhood science education activities within a Japanese context. In order to develop a vision for the designing the activities, we need to analyze several things. First, we need to analyze the status of early childhood education in Japan. Second, we need to analyze the cognitive development of children themselves. We also need to consider other countries, for example the United States and Canada, where science education for early childhood has already been well developed. Moreover, the rationale for the acquisition of scientific literacy and global science literacy for young children is discussed. As a result of an over all discussion of scientific literacy and the present situation, a vision for design of science education activity for young children is developed. Finally, in consideration of scientific literacy, five science education activity examples are described.
著者
熊野 善介 国宗 進 唐木 清志 二宮 裕之 萱野 貴広
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.5-11, 2007
参考文献数
16

3年間静岡理科教育研究会はFirstClassを導入し、e-learningベースの現職教員研修・教員養成教育システムの構築と問題点と課題を明らかにしてきた。その一環として北米における理数科現職教育のためのe-learningシステム利用の現状と課題について、理数科教育から多少幅を広げて、どのような動向が見られるかを探ってきた。その結果、Webを利用した学習の理論的な枠組みとして、構成主義者の立場を中心とした自己増殖型のフリーウェイ系のe-learningソフトが2000年後、幾何級数的に利用者が拡大していることを発見した。次世代の主体的な理数科教師のための授業の質を向上させるためのウェブベースのコンテンツとシステムの構築はわが国においても急務である。
著者
内ノ倉 真吾 石崎 友規 齊藤 智樹 Rahma Suwarma Irma 今村 哲史 熊野 善介 長洲 南海男
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.87-92, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
23

現在アメリカでは、科学、技術、工学、数学(Science, Technology, Engineering, Mathematics;STEM)の教育が推進されている。アメリカでの訪問調査と関連文献と Web 公開資料の分析に基づいて、STEM 教育の推進に関わる主体の具体的な活動事例と相互の関係を把握した。そこでは、州政府、教師教育団体、大学、K-12 教育段階の諸学校が、連邦政府の財政的な支援を基盤として、相互に協力・連携して、子どもの STEM 系教科の学力および興味・関心の向上と教師の職能開発の促進を目指した STEM 教育の推進活動が行われていた。
著者
奥村 仁一 熊野 善介
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.421-434, 2016-03-19 (Released:2016-04-23)
参考文献数
10

PISAやTIMSS等の国際学力調査において日本の児童・生徒の読解力に問題があるとの結果を受けて, 平成21年に学習指導要領の改訂が行われ, その大きな7つのポイントの第1番目に「言語活動の充実」があげられた。これは各教科を貫いて改善されなければならないとしている。そこで本研究は, 高等学校生物においてグループ学習による調べ学習および学習内容の発表を行い, 生徒が発表に取り組む様子を撮影したビデオを使って振り返り学習を行った。そして発表直後とビデオによる振り返り学習後にアンケートを行い, 生徒の意識の変容についてt検定や計量テキスト分析により客観的に分析した。その結果, ビデオによる振り返り学習は, 学習内容や発表内容そのものではなく, 発表の態度や声の大きさ, 文字や図・グラフ等についての直接的・物理的な発表における言語活動自体を振り返る効果が大きいことが確認され, 言語活動に対しての意識付けの観点から教育的価値が高いことが証明された。
著者
長洲 南海男 伊佐 公男 今村 哲史 熊野 善介 山下 宏文 山崎 貞登 新田 義孝 杉山 憲一郎 畑中 敏伸 八田 章光 島崎 洋一 高木 浩一 藤本 登 滝山 桂子 安藤 雅之 出口 憲 大高 泉 内ノ倉 真吾 丹沢 哲郎 佐藤 修 尾崎 誠
出版者
常葉学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

英、仏、米国、オーストラリアでのエネルギー環境教育調査により独立教科はないが、ESDとして積極的に取り組んでいた。日本国内のエネルギー環境教育実践校のデータベース研究により意思決定の教育実践は少なかった。理工学系、教科教育等の多様な研究分担者等によりエネルギー環境リテラシー育成のカリキュラム構築の基本的枠組が、次の2点の合意形成を得た。エネルギー環境リテラシー育成のカリキュラムフレームワークの目標と内容の二次元マトリックスと重層構造図である。
著者
五島 政一 小林 辰至 熊野 善介 下野 洋 品川 明 平田 大二 岡本 弥彦 三宅 征夫 鳩貝 太郎 立田 慶裕 田代 直幸 笹尾 幸夫 清原 清一 日置 光久 加納 誠 藤岡 達也 田口 公則 小川 義和 市川 智史
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもが主体的に学び、科学を好きになる教育実践プログラムを多数開発した。そして、その教育システムを開発するために、指導者である教の資質・能力を育成する生涯学習プログラムのモデルを開発した。
著者
佐藤 毅彦 熊野 善介 石井 雅幸 五島 政一 坪田 幸政 松本 榮次 福田 章人 丸山 修 岩崎 泰久 木村 かおる
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

実験・観察を重視する新学習指導要領理科「天体」分野の教育を現場レベルで向上させることを目的に、教材・カリキュラムの開発を行った。昼間に星空を見るためには、インターネットを経由した遠隔天体観察ツールを活用した。新設単元「月と太陽」における「満ち欠け」指導方法には特に力を入れ、学習教材BaMoonを開発するとともに、視点共有のためのカメラ活用を考案し、教員研修会等で広める活動をした。
著者
長洲 南海男 丹沢 哲郎 片平 克弘 熊野 善介 今村 哲史
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

これまでの研究は大きく次の2点に焦点化される。第一は科学リテラシ(SL)論研究に関わる各種文献の収集とそのデーターベース化、第二はそれらの分析による科学教育改革の方向性の解明である。先ず、1993年までの過去30年間のSL論に関する文献の要旨をICASEのPenick教授がまとめたのと、UNESCOによる科学、技術リテラシ(STL)論の1994年までのを集めた要旨集をデータベース化出来た。次にそれ以降現在に至るまでの及びOECDお含めたSL及びSTL或いは科学の本質に関する論文を欧米の代表的な雑誌類より収集したが、膨大な数のため、完全な分析には至っていず、次への課題となっている。結局、次のことが明らかになった。30年前のSL論に比して、近年のSL論で展開している用語としての「科学の本質」は同じであるが、その意味する概念は全く異なっており、かつてのに比べて現今のは新しい科学・技術論に基づいており、その科学教育の背景には構成主義を包含したSTS論を基にしている点である。この基調はAAASのプロジェクト2061、NRCの全米科学教育スタンダード(NSES)-これについては他の協力者の協力を得て訳本を出版できた。BSCSのBybeeのSL論とも軌を同一にしていることが明らかになった。この基本的立場はUNESCOのSL論は先進諸国のみならず、開発途上国においてもその基本的理念は同じであることが明らかになった。さらにプロジェクト2061が構成主義的観点より幼稚園より高校3学年までの発達段階を考慮にいれたSLの認知発達の事例を日本において初めて翻訳できた。以上により新しい科学リテラシ(SL)論に基づく科学教育改革の方向性が明瞭になった。これらの成果は次年度の関連学会で発表の予定である。