著者
久米 民和 等々力 節子
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.469-478, 2019-07-15 (Released:2019-07-15)
参考文献数
13
被引用文献数
1

食品照射の海外動向について,2017年の実施状況をまとめた。総処理量は中国の550,000トンが最も多く,次いでベトナムの110,000トンであり,世界の食品照射は急速に拡大している。検疫を目的とした新鮮果実・野菜の照射処理では,米国がメキシコなどから31,000トン輸入している。アジア・オセアニア諸国では米国への輸出だけでなく,オーストラリアやベトナムなど地域内での照射農産物の相互の輸出入を展開している。
著者
久米 民和
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.46-54, 2008-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1 3
著者
久米 民和
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.29-36, 2012
被引用文献数
2 1

アジアにおける最新の食品照射に関わる動向について述べた。2010年のアジアにおける食品照射処理量は28万5千トンで、国別では中国が20万トン、ベトナムの6万6千トンが特に多く、2005年の18万3千トンより10万トン以上増加し、中国とベトナムで五万トンずつ増えている。逆に日本や韓国ではその処理量は減少している。アジアの食品照射処理量は世界の半分近くを占め、スパイスの殺菌、穀物・果実の殺虫、肉・魚介類の殺菌、発芽防止など積極的に展開されている。また、進展著しいベトナムの食品照射用施設の建設状況について詳しく紹介した
著者
伊藤 均 久米 民和 武久 正昭 飯塚 廣
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1081-1087, 1981 (Released:2008-11-21)
参考文献数
20
被引用文献数
6 3

各種配合飼料中の微生物分布と放射線殺菌効果について検討し次の結果を得た. (1) 粉末状飼料中の総菌数は1g当り5.3×104~2.2×106個,大腸菌群は5.1×103~6.8×105個,一般糸状菌は2.1×103~4.5×105個,好浸透圧性糸状菌は9.6×102~3.5×105個検出された. (2) ペレット状飼料中の総菌数は5.3×103~1.0×106個,大腸菌群は0~2.3×103個であり,ペレット加工後に汚染したと思われる糸状菌0~1.6×103個が検出された. (3) 飼料中の総菌数は主にBacillus, Micrococcus, Enterobacter, Klebsiellaで構成されており, StaphylococcusやPseudomonasも若干検出された.大腸菌群は主にEnterobacterとKlebsiellaで構成されており, Escherichia coliは全菌数の1%以下しか検出されなかった.しかし市販飼料の一部にはE. coliが1%近く検出されるものもあった. (4) 飼料中の一般糸状菌は主にFusarium, Cladosporium, Rhizopusで構成されており,好浸透圧性糸状菌はAspergillus glaucus群と A. gracilis, A. candidusが多く検出され, A. versicolorも若干検出された. (5) 放射線照射により飼料中の総菌数は0.5 Mradで101~103個まで減少したが,飼料によってはPseudomonas marginataなどが生残していた.大腸菌群は0.5~0.8 Mradで殺菌でき,貯蔵中の飼料変敗に関与すると思われる好浸透圧性糸状菌は0.2 Mradで著しく菌数が減少した. したがって飼料の菌数低減化および屎尿由来大腸菌群の殺菌を目的とする場合は0.5 Mradの線量が必要で,糸状菌変敗の防止には0.2 Mrad以上の照射が必要と思われる.