著者
亀谷 義浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.804, pp.436-445, 2023-02-01 (Released:2023-02-01)
参考文献数
9

Since the outbreak of the Corona virus in 2020, many supermarkets have installed hand sanitizers at their entrance and exit. Because many people touch goods, shopping carts and baskets there, they are possible to be infected with the virus. Alcohol disinfectants can reduce the risk of infection. However, it is not clear whether the customers are using it and actual usage rate when entering and leaving. In this study, we investigated the use of disinfectant at entrance and exit of the supermarkets, and clarified the relationship between the amounts, the location, the using method of the disinfectant, and customers’ behavior.
著者
亀谷 義浩
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

既存の螺旋スロープに点字ブロックを敷設し、視覚障害者(全盲者)とアイマスクをした健常者を被験者として、螺旋スロープの空間把握や探索行動の調査をした。結果、点字ブロックは、周回数の把握において役立つが、方向の把握においては効果が低いことがわかった。点字ブロックの敷設は、1/4周毎とし1カ所あたりに2枚が最適と結論付けられた。ただし、点字ブロック以外の手がかりも同時に複数必要であると考えられた。また、全盲者は、周回数から方向を割り出そうとする傾向はなく、音や歩いた感覚等によって方向の把握をする傾向があった。
著者
亀谷 義浩
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は、視覚障害者の基礎的な空間把握特性や探索歩行行動を明らかにするために、屋内に模擬実験空間を作製し、全盲の視覚障害者を主な対象として実験を行った。平成17年度では、16年度の結果を検証するために、実際の社会的空間での視覚障害者の空間把握や探索行動を明らかにする調査を行うとともにリクリエーションとしての空間利用が可能であるかを検証した。調査は、大阪市営定期観光バスの一日ツアーを利用し、さまざまな施設を訪問する。訪問施設は、海遊館、大阪ドーム、大阪城、水上バス、梅田スカイビルである。調査期間は、平成17年7月23日および10月23日である。調査内容は、各施設やツアー全体さらには、移動中について、空間把握だけでなくリクリエーション空間としての娯楽性や快適性、安全性について評価を行った。評価はアンケートにより行った。被験者は、全盲者5人(男性3人、女性2人)および健常者5人(比較対照群として男性3人、女性2人)の計10人である。結果、安全性、快適性、満足度など、多くの項目で、全盲者より健常者のほうが、よい評価になり、出入口の認識や自分の居場所の認識などは、健常者より全盲者はかなり低い評価結果となった。このような観光バスツアーでは、まず、バスから施設まで視覚障害者だけで到達することは困難で、介助者が必ず必要になる。模擬空間とは異なり、さまざまな情報が錯綜する実際の空間では、空間把握は難しい上に、施設内での設備や機材も不十分であり、さらには、施設職員の対応も十分ではないことから、低い評価になったと考えられる。しかし、梅田スカイビルの屋上展望では、光や風を受けることで被験者は楽しむことができ、また参加したいという評価をしている。改善しだいでは、視覚障害者が一人で参加することやリクリエーションとしてうまく利用できる空間の創造が可能であると考えられた。