著者
松野 悟之 岡山 久代 二宮 早苗 内藤 紀代子 森川 茂廣
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-49, 2016-01-25 (Released:2018-02-28)
参考文献数
22
被引用文献数
2

骨盤底筋トレーニングのための体外式バイオフィードバック装置を用いて女性の骨盤底筋群の機能と腹圧性尿失禁の関連性を検討することを目的とした.147名の女性を対象に骨盤底筋群の最大筋力および収縮持続時間,尿失禁症状,体組成,一般属性を調査し,ロジスティック回帰分析を用いて各因子の腹圧性尿失禁の発症に対するオッズ比を算出した.結果,腹圧性尿失禁の発症に対する有意な要因として,分娩経験(オッズ比:2.694,95%信頼区間:1.058-6.859)および骨盤底筋群の収縮持続時間(0.861,0.777-0.954)が抽出された.今回,収縮持続時間の短縮も抽出されたことから,収縮持続時間に関与すると考えられる骨盤底筋群の遅筋線維が腹圧性尿失禁の防止に重要な役割をもつことが示唆された.骨盤底筋群を強化する際には,収縮持続時間の延長を促すことで腹圧性尿失禁の効果的な改善につながる可能性が示唆された.
著者
尾﨑 牧子 西山 記子 二宮 早苗 土手内 靖 谷松 智子 西山 政孝 西﨑 隆 藤﨑 智明 横田 英介
雑誌
松山赤十字病院医学雑誌 (ISSN:03853888)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.67-73, 2010-12

症例は62歳、男性。交通事故に伴う膵損傷による後腹膜膿瘍により炎症が持続していた。2007年10月5日、Hb5.3g/dlの貧血に対して赤血球濃厚液2単位を輸血した。輸血開始20分後、多量の発汗と手背・足背に発赤を認めた。下顎呼吸となり、意識消失、呼吸が停止、脈は触知せず、心電図はPEA(無脈性電気活動)となった。直ちに輸血を中止し、心マッサージと気管内挿管、エピネフリン、塩酸ドパミン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム投与にて蘇生した。2日後、再度赤血球濃厚液2単位を輸血した。開始35分後、発赤・熱感が出現し、血圧低下と、頻脈を認めた。輸血後、総IgE量およびトリプターゼが上昇しており、アナフィラキシーショックと診断した。これら2本の赤血球濃厚液は、副作用を認めなかった過去の製剤とは異なるメーカーの血液バッグ、および白血球除去フィルターを使用しており、特に白血球除去フィルターの膜材質が異なっていたことから、この膜材質が原因と考えられたが、確定はできなかった。以後の赤血球輸血32単位は、すべてこの膜材質以外の製剤を洗浄して輸血し、副作用を認めなかった。(著者抄録)
著者
松野 悟之 岡山 久代 二宮 早苗 内藤 紀代子 森川 茂廣
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-49, 2016

 骨盤底筋トレーニングのための体外式バイオフィードバック装置を用いて女性の骨盤底筋群の機能と腹圧性尿失禁の関連性を検討することを目的とした.147名の女性を対象に骨盤底筋群の最大筋力および収縮持続時間,尿失禁症状,体組成,一般属性を調査し,ロジスティック回帰分析を用いて各因子の腹圧性尿失禁の発症に対するオッズ比を算出した.結果,腹圧性尿失禁の発症に対する有意な要因として,分娩経験(オッズ比:2.694,95%信頼区間:1.058-6.859)および骨盤底筋群の収縮持続時間(0.861,0.777-0.954)が抽出された.今回,収縮持続時間の短縮も抽出されたことから,収縮持続時間に関与すると考えられる骨盤底筋群の遅筋線維が腹圧性尿失禁の防止に重要な役割をもつことが示唆された.骨盤底筋群を強化する際には,収縮持続時間の延長を促すことで腹圧性尿失禁の効果的な改善につながる可能性が示唆された.