著者
松野 悟之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.129-141, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
6

本稿は,改訂された脳卒中治療ガイドライン2021について,リハビリテーション領域に関連する内容を中心に紹介し,新たな治療や既存治療のエビデンスレベルの向上などを理解することで,医療従事者が脳卒中患者に対する適切な評価および治療の選択の一助となることを目的とした.今回の改訂では,脳卒中治療ガイドライン2015と比べて,リハビリテーション領域の治療において,反復性経頭蓋磁気刺激や経頭蓋直流電気刺激を用いた治療の推奨が増加した.既存の治療においても,その有効性を検証する研究が実施され,エビデンスレベルが向上したものもある.一方で,今回の改訂で削除された内容もみられる.ガイドラインを踏まえた指針や判断基準を土台にして,臨床現場における個々の患者に対する柔軟な対応の両面が重要だと考える.
著者
松野 悟之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.521-525, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
16

〔目的〕要介護高齢者を対象に,ゲーム機を用いた脳トレーニング(脳トレ)に関するアンケート調査を実施した.〔対象と方法〕要介護高齢者24名とした.ゲーム機は,任天堂スイッチ,ゲームソフトは脳を鍛える大人のトレーニングを用いた.アンケートは,教育歴,ゲームを経験しての楽しさや難しさ,ゲーム機の操作,脳トレを今後も継続したいかを調査した.〔結果〕脳トレをやや楽しく感じ,今後もやや続けてみたいと返答した者が有意に多かった.しかし,ゲーム機の操作においては,教えてもらわないとできない者が有意に多かった.〔結語〕要介護高齢者におけるゲーム機器を用いた脳トレは,機器の操作を適切に誘導することで楽しみながら継続できる可能性が示唆された.
著者
松野 悟之 岡山 久代 二宮 早苗 内藤 紀代子 森川 茂廣
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-49, 2016-01-25 (Released:2018-02-28)
参考文献数
22
被引用文献数
2

骨盤底筋トレーニングのための体外式バイオフィードバック装置を用いて女性の骨盤底筋群の機能と腹圧性尿失禁の関連性を検討することを目的とした.147名の女性を対象に骨盤底筋群の最大筋力および収縮持続時間,尿失禁症状,体組成,一般属性を調査し,ロジスティック回帰分析を用いて各因子の腹圧性尿失禁の発症に対するオッズ比を算出した.結果,腹圧性尿失禁の発症に対する有意な要因として,分娩経験(オッズ比:2.694,95%信頼区間:1.058-6.859)および骨盤底筋群の収縮持続時間(0.861,0.777-0.954)が抽出された.今回,収縮持続時間の短縮も抽出されたことから,収縮持続時間に関与すると考えられる骨盤底筋群の遅筋線維が腹圧性尿失禁の防止に重要な役割をもつことが示唆された.骨盤底筋群を強化する際には,収縮持続時間の延長を促すことで腹圧性尿失禁の効果的な改善につながる可能性が示唆された.
著者
松野 悟之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.521-525, 2021

<p>〔目的〕要介護高齢者を対象に,ゲーム機を用いた脳トレーニング(脳トレ)に関するアンケート調査を実施した.〔対象と方法〕要介護高齢者24名とした.ゲーム機は,任天堂スイッチ,ゲームソフトは脳を鍛える大人のトレーニングを用いた.アンケートは,教育歴,ゲームを経験しての楽しさや難しさ,ゲーム機の操作,脳トレを今後も継続したいかを調査した.〔結果〕脳トレをやや楽しく感じ,今後もやや続けてみたいと返答した者が有意に多かった.しかし,ゲーム機の操作においては,教えてもらわないとできない者が有意に多かった.〔結語〕要介護高齢者におけるゲーム機器を用いた脳トレは,機器の操作を適切に誘導することで楽しみながら継続できる可能性が示唆された.</p>
著者
松野 悟之 岡山 久代 二宮 早苗 内藤 紀代子 森川 茂廣
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-49, 2016

&emsp;骨盤底筋トレーニングのための体外式バイオフィードバック装置を用いて女性の骨盤底筋群の機能と腹圧性尿失禁の関連性を検討することを目的とした.147名の女性を対象に骨盤底筋群の最大筋力および収縮持続時間,尿失禁症状,体組成,一般属性を調査し,ロジスティック回帰分析を用いて各因子の腹圧性尿失禁の発症に対するオッズ比を算出した.結果,腹圧性尿失禁の発症に対する有意な要因として,分娩経験(オッズ比:2.694,95%信頼区間:1.058-6.859)および骨盤底筋群の収縮持続時間(0.861,0.777-0.954)が抽出された.今回,収縮持続時間の短縮も抽出されたことから,収縮持続時間に関与すると考えられる骨盤底筋群の遅筋線維が腹圧性尿失禁の防止に重要な役割をもつことが示唆された.骨盤底筋群を強化する際には,収縮持続時間の延長を促すことで腹圧性尿失禁の効果的な改善につながる可能性が示唆された.