著者
久代 裕史 岡松 孝男 八塚 正四 角田 ゆう子 岡本 信也 松村 光芳 五味 明 菅野 壮太郎 鈴木 誠 飯島 忠 中田 雅弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.445-449, 1990-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
20

小児の異物誤飲に遭遇する機会は少なくない.特に, 最近ではボタン型電池に代表される金属性の異物が増加の傾向にあって, その対処にはさまざまな方法がある.私どもは過去6年間に10例の金属性胃内異物に対してマグネットチューブを使用し, 全例入院を要さずに摘出でき, その有用性が確認できた.この摘出法は透視下で施行する必要があるものの, 簡便で安全に誰もが習得でき, 多くの磁性体金属性異物に対して推奨すべき摘出法と考える.
著者
八塚 正四 土岐 彰 鈴木 淳一 真田 裕 千葉 正博 五味 明
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.154-158, 2005

【目的】肥厚性幽門狭窄症(以下, 本症)に対するRamstedt手術は比較的若い外科医が執刀することの多い手術であるが, その術者の実態に関する報告はほとんどない.そこで, 小児外科卒後研修の観点から術者の至適開始時期について検討した.【対象・方法】過去15年間に当科で経験した本症手術91例の術者と第一助手の卒後年数や内訳, 手術時間, 術後合併症などについて調査した.当科の標準術式はRandolph法に準ずる右上腹部開腹到達法で, 術後の経口開始時期は全例翌朝としている.【結果】94件中33件(35%)は卒後5年以上の小児外科専従医, 61件(65%)が卒後5年未満の小児外科専攻医によって行われ, このうち卒後2年目が23件(38%)を占め, もっとも多かった.新生児症例においても25件中15件(60%)を卒後5年未満の小児外科専攻医が執刀し, 卒後3∿4年目が9件(60%)を占めた.第一助手は68件(72%)を日本小児外科学会認定指導医, 26件(28%)を同認定医が務めた.手術の平均時間は卒後年数とともに60分から38分に短縮していたが, 本症特有の合併症はみられなかった.【結論】本学会認定指導医またはそれに準ずる経験者による介助の下であれば, 卒後5年未満の小児外科専攻医も安全に手術を行うことができる.