著者
五百旗頭 正 菅家 正康 藤本 泰成 鈴木 新悟
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.186-194, 1995-02-15
参考文献数
10
被引用文献数
30

カオス的振る舞いをする時系列データの短期予測は、従来ノイズ、あるいは規則性の無いものと考えられていた事象に、何らかの決定論的規則性を見いだし、その近未来の状態を予測しようとするものである。これは、観測された時系列データをタケンスの埋め込み定理により多次元状態空間に再構成し、最新に観測されたデータを含むデータベクトルの近傍ベクトルを用いて局所再構成を行う事により短期予測を行うものである。この方法としてグラムシュミットの直交系法やテセレーション法などの提案があるが、前者は近傍ベクトルの選択の仕方によっては、予測不可能になる事があり、また後者は再構成状態空間の次元が高くなるに従って、計算時間が急激に増大するといった問題がある。本論文ではこれらの問題を解決するために、局所ファジィ再構成(Local Fuzzy Reconstruction)法を提案する。そして、この方法の有効生を確認するために、代表的なカオス的振る舞いをするロジスティックマップおよびローレンツアトラクタの短期予測に適用しその結果について考察する。
著者
五百旗頭 正 坂和 正敏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.862-868, 1993-08-15
被引用文献数
1

一般的なデマンド監視制御装置は、使用電力の傾きからデマンド時限での使用電力量を推定し、これが契約電力量を越えるときに警報出力と負荷遮断を行っている。この様な方法では、電気溶解炉のように負荷変動の激しい設備が系統に接続されている場合には、警報と負荷遮断が断続的に起こり、本来のデマンド監視制御を行う事が不可能である。 本論文では、この問題を解決するためにファジィ理論を用いて、電気溶解炉のような負荷変動が激しく操業パターンがほぼ決まっている負荷がある工場でのデマンド監視制御に有効な方法を提案すると共に、実システムに適用した結果を示す。