著者
五郎丸 秀樹 鷲尾 知暁 小林 鉄太郎
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2022-GN-116, no.9, pp.1-8, 2022-03-07

近年インターネットの普及により,マスメディアだけでなく個人が SNS で情報を発信しモバイル端末でいつでもどこでも情報を受信することが可能となった.その影響で情報拡散の速度も情報量も範囲も以前のメディアに比べ大きくなり,ちょっとした情報でも簡単に拡散され複雑化していった.そうした中でフェイクニュースを代表とする,内容が不正確な誤情報や偽情報だけでなく,悪意によって暴露された秘匿情報や機微情報など情報の内容は正確だが任意の対象者に有害な影響をもたらす情報による弊害もでてきている.さらに,デマを取り消す訂正情報に対しても,訂正情報を見た人がデマに騙されている人と同様の行動をとる場合がある.例えばマスコミの報道でトイレットペーパー不足は嘘だとわかっていてもトイレットペーパー買占めをおこなってしまうことなどである.本研究では,このように誤情報・偽情報・秘匿情報・機微情報・訂正情報など,結果的に人々を悪い方向に誘導する可能性のある情報を「誘導情報」と新たに定義し,関係者の感情や伝達文の変化を簡易に把握できる新たな時系列図を使用して,発生要因と対策について検討した.
著者
宗森 純 五郎丸 秀樹 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1350-1358, 1995-06-15
被引用文献数
20

本論文では、3台もしくは4台の計算機上で発想支援グノレープウェア郡元を用いて分散協調型KJ法を同]室内と分散した環境(同一階の異なる部屋および異なる階)で行い、意見の数、所要時間、文章の文字数、雑談の数などをパラメータとし、分散した環境が発想支援グループウェアの実施に及ぽす影響を検討した。分散協調型KJ法は複数の計算機上で意見をだし、似ている意見をまとめ、そこから結論を得る発想法の一つである。郡元はテキストベースの雑談機能(チャット)で参加者間のコミュニケーションをとることに特徴がある。実験の結果、異なる階にまたがって分散携調型KJ法を実施すると雑談の数のみが他の場合と比較して増加し、分散した環境(同一階および異なる階)では同一室内と比較すると相手に返事を求める雑談の割合が増加することがわかった。しかし、同一室内でも分敵した環境でも意見の数や文章の文字数、所要時剛こ大差はなかったため、空間的に分散した環境でもテキストベースでコミュニケーションが十分とれることがわかった。