著者
魯 敏慧 井上 真理子 近藤 龍彰
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.13-32, 2020-10-23

本研究では,日本と中国のいじめに関する教育心理学的知見を比較し,両者の異同を検討した。その結果,「いじめの影響」についての知見では,精神的健康,自尊心といった概念を扱っているという共通性が見られた。ただし,「いじめの要因」,特にいじめを抑制するという観点,については中国の文献では見当たらず,逆に直接的に友達関係を尋ねる調査は日本の文献では見られなかった。いじめの実態としては,いじめと無関係の子どもの割合が多い,小学生よりも中・高校生でいじめ被害の割合が低下する,言葉いじめの割合が相対的に高いなど,日中で共通している部分は見られた。しかしそもそも日本ではいじめの種類で分類した研究が少なく,中国では身体いじめが必ず含まれているといった違いも見られた。加えて,中国ではどこで調査したのかという地域が言及されている一方で,日本ではそのような言及はまれであり,土地感覚の違いがうかがえた。今後の課題としては,扱う論文の範囲と量を拡大していくこと,特に社会心理学の分野を含め,広範な文献のレビューおよび文化比較を行う必要性が挙げられた。
著者
井上 真理子 川上 正浩
出版者
北陸心理学会
雑誌
心理学の諸領域 (ISSN:2186764X)
巻号頁・発行日
pp.2023-05, (Released:2023-11-10)
参考文献数
25

This study examined how university students’ self-control and attitude toward delay relate to their smartphone usage time. The study focuses on both subjective and objective smartphone usage time. Participants were 74 university students who use iPhones. First, we conducted a correlation analysis by measuring subjective and objective usage time for online use such as SNS, online video viewing, and games. Next, participants’ personal characteristics, such as self-control and attitude toward delay, were measured using a 6-item method and a 5-item method, respectively. Consequently, the study found a positive correlation between subjective and objective usage time for "SNS" and "games" during 24 hours. However, no correlation was found between "videos and the Internet" or "total time ". Additionally, a positive correlation was found with external control and a negative correlation with reformative self-control scores in subjective time spent on "video and Internet". Conversely, the score of reformative self-control negatively correlated with subjective time for "video and Internet", but no correlation was found with objective time for "video and internet." The findings suggest that self-control and smartphone use differ regarding subjective and objective measures, including the purpose of use.
著者
奥山 一典 藤原 身江子 越智 洋秀 井上 真理子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.638, pp.11-27, 1999-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
27
被引用文献数
1

砂の最大・最小密度試験 (JGS T 161-1990) では, 最大粒径が2mmを超える砂は適用範囲外である. しかし, 実務においては, 最大粒径が2mmを超える砂を取り扱うことが多く, 最大粒径制限値の拡大が望まれている. そこで, 本研究では, 最大粒径制限値の拡大に関する2, 3の基礎的問題点を解決した上で, (1) モールドの大容量化, (2) 粒度分布を考慮した最大粒径の制限法の適用という二つの方法で最大粒径制限値の拡大を図り, 最大粒径が2mmを超える砂礫に適用できる最大・最小密度試験法を提案した. そして, 提案法の検証実験を行い, 提案法が十分実用に供することを示した.