著者
井上 達志 宮澤 智恵
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.13, no.Suppl, pp.Suppl_35-Suppl_36, 2010-07-10 (Released:2011-04-21)
参考文献数
1

国内で流通している穀類を主な原料としたドッグフード32銘柄を対象にHPLC-タンデム質量計 (LC/MS/MS) を用いてアフラトキシン類 (AFL) について分析を行った。その結果14銘柄にAFLが少量検出された。同じくHPLCによる分析では 5 銘柄に検出され、最も多く含まれていた銘柄では、LC/MS/MS 法と比べ最大 2 倍程度の分析値の差がみられた。市販のAFL分析簡易キットでは全ての銘柄が陽性となり、LC/MS/MS 法と比べ30~400倍の高濃度で検出された。
著者
井上 達志 林 佳美 石田 光晴
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.3, no.Supplement, pp.18-19, 2000-06-30 (Released:2012-09-24)
参考文献数
3

市販ドライキャットフードに鰹節を20%および40%添加してネコに給与し,無添加のフードあるいは猫下部尿路疾患(FLUTD)対応フードとストラバイト尿石形成の及ぼす影響について比較した。塩基過剰度(BE) は鰹節20%の添加でFLUTD対応フードと同等でありこれらを摂取したネコでは無添加の場合と比べて尿中固形分およびストラバイト結晶が有意に少なくなった。
著者
川村 修 福山 喜一 假屋 洋人 弓削 嗣彦 日高 利治 園田 美由紀 新美 光弘 井上 達志
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-5, 1999-07-21

近年、低水分牧草をロールベールとし、ストレッチフィルムで被覆密閉して調製したサイレージを家畜に給与する体系が全国的に急速に普及しつつある。本報では、予乾したイタリアンライグラス(水分60%)を用いて調製したロールベールラップサイレージの発酵品質、飼料成分、調製に伴う成分損失、生産費および家畜生産性について、同時に刈り取ってそのままトレンチサイロに埋蔵して調製したサイレージ(水分90%)と比較した。その結果、発酵品質はロールベールサイレージの方が有意に高かった。細胞壁構成物質(NDF)含量および反芻胃内微生物によるin vitro消化性においては両サイレージで有意な差はなかった。ロールベールサイレージの調製に伴って8%の乾物が損失した。一方トレンチサイロでの乾物損失は29%であった。これを考慮して両サイレージの生産費を試算すると、ロールベールサイレージのほうが乾物1kg当たり23円安かった。未経産雌牛(ホルスタイン種×黒毛和種、14-16ヵ月齢)を用いた飼養試験では、乾物採食量はロールベールサイレージの方が多い傾向を示したが、日増体と飼料効率は同程度であった。日本家畜管理学会誌、35(1) : 1-5,1999 1998年10月30日受付1999年4月9日受理
著者
井上 達志 菰田 俊一 千葉 絵理
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第36回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.3022, 2009 (Released:2009-07-17)

メラミンおよびシアヌル酸は単独では毒性は低いが、両者が体内に同時に存在すると毒性が高くなる可能性がある。そこで、マウスにメラミン(M)およびシアヌル酸(C)の単独、等量交互、等量混合の経口連続強制投与試験を行い、メラミンとシアヌル酸の相互作用による急性毒性について検討した。 C3N/HeNマウス20頭を対照区、M単独区、C単独区、MC交互区およびMC混合区に分け(n=4)代謝装置内で単飼した。それぞれの日投与量はいずれの区も合計12mg(300mg/kgbw)を生食1.2mlに懸濁させ(対照区は生食のみ)、11時から2時間おきに4回に分け7日間連続行った。これらの投与前後の2時間は絶食絶水とした。摂水量と排尿量は対照区、M単独区およびC単独区では大差なかったが、MC混合区では対照区の約2倍量となり(p<0.05)、MC交互区では1日後の量は多かったものの、その後急激に低下し4日後ではほぼ尿閉となった。また、MC交互区および混合区では腎重量が対照区、M単独区およびC単独区に比べ有意に重く(p<0.05)、BUNでは405mg/dlと、MC混合区の147 mg/dlあるいは正常範囲以内の他区に比べて上昇していた(p<0.01)。同様にCREではMC交互区が2.60 mg/dl、MC混合区が1.08 mg/dlと他区に比べて高く(p<0.01)、これらの区においては腎不全が示唆された。肝重量では全区とも大差なかったが、GOTはMC交互区では181U/Lと他区に比べ軽度の上昇が見られた(p<0.05)。また、腎組織像では、M単独区およびC単独区では正常であったが、MC交互区およびMC混合区では組織の壊死が認められ、MC混合区ではより高度であった。さらに、これらの区では組織内に茶褐色のメラミンシアヌレートと考えられる結晶の散在が認められ、これらは蛍光顕微鏡下では緑色蛍光として観察された。
著者
大竹 秀男 遠藤 征彦 井上 達志
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

有機廃棄物資材としての間伐材等のチップと家畜糞(牛糞)に土着の微生物を混入した区(M区)、土壌動物を混入した区(A区)、両者を混入した区(MA区)、チップと牛糞のみの区(C区)を作り堆肥化を試み、できた堆肥を用いコマツナと飼料作物(ソルガムとオーチャードグラス)の生育への影響について調査した。コマツナおよびソルガムの生育はM区とMA区で若干高かった。オーチャードグラスの生育は虫堆肥区より化学肥料区の方が良く、虫堆肥間ではM区の生育が良かった。4種の糞(牛糞、鹿糞、豚糞および鶏の糞尿)を材料として切返しの間隔を3日にしたもの(短区)と1ヵ月にしたもの(長区)とで出現する土壌動物を比較した。3ヵ月後についてみると、短区ではすべての堆肥でダニ類が90%以上を占めていたのに対し、長区の牛堆肥と鹿堆肥ではトビムシ類が20〜30%を占めていた。虫堆肥の効果については、レタス圃場におけるセンチュウ密度との関係から検討した。土壌動物とセンチュウの移植前と収穫後の個体数の間には負の相関関係(r=0.695)がみられ、土壌動物個体数の増加した区ほどセンチュウ個体数は少なくなる傾向を示した。また、市販堆肥より虫堆肥や落葉堆肥を施用した区の方が、土壌動物個体数が多く、センチュウ個体数は少なくなる傾向が認められ、センチュウ密度を抑制するためには堆肥の質と量を考慮する必要がある。土壌動物のトビムシ類とダニ類(ササラダニ類とトゲダニ類)はセンチュウを抑制している可能性が示唆された。以上のことから、虫堆肥を畑地に施用することにより土壌動物の多様性が増し、センチュウの多発を抑制できるものと考える。