著者
井原 久光 東田 晋三
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.45-60, 2001-12-30

福武書店(現・ベネッセコーポレーション)の進研模試が、旺文社模試を追撃していった過程を競争戦略の理論に基づいて分析した。福武は、競合製品(旺文社模試)の特性をしっかりとらえ、限られた経営資源を最も効率的な顧客(有力高校)や地域(旺文社模試の手薄な地域)やセグメント(低学年)に集中し、独自の製品差異化(試験内容、データ提供、充実した母集団、独自情報の提供)をはかり、環境変化(学園紛争、入試改革、新カリキュラム)を有利に活用して、最終的には旺文社をこの市場から撤退させた。
著者
井原 久光 東田 晋三
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.253-268, 2001-12

福武書店(現・ベネッセコーポレーション)の進研模試が、旺文社模試を追撃していった過程を競争戦略の理論に基づいて分析した。福武は、競合製品(旺文社模試)の特性をしっかりとらえ、限られた経営資源を最も効率的な顧客(有力高校)や地域(旺文社模試の手薄な地域)やセグメント(低学年)に集中し、独自の製品差異化(試験内容、データ提供、充実した母集団、独自情報の提供)をはかり、環境変化(学園紛争、入試改革、新カリキュラム)を有利に活用して、最終的には旺文社をこの市場から撤退させた。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.40-69, 1999-09-30

アメリカの州立大学の歴史的変遷を入植地大学から要約した。入植地大学は、英国スタイルの神学校であったが、ニューイングランドでは、半ば公的教育機関として機能した。入植地大学をもたなかった南部、中西部、西部では州立大学が州立神学校として設立された。19世紀の州立大学の重要性を明確にするため、本論では社会的指導者を育成する大学の基本的なアプローチを二つのモデルとして提示している。第一は、社会的エリートを全寮制に囲い込んで全人教育する「トップダウン方式」であり、第二は、全ての若者に比較的低額で教育を与える「ボトムアップ方式」で、これにより、大学は「社会階層のエレベータ」の役割を担っている。州立大学と私立大学の特徴を示すために、これらのモデルとともに、ジェファーソン民主主義とジャクソン民主主義の違いに照らして説明がある。また、ダートマス訴訟(1816)、ランド・グラント法(1862)や男女共学についても触れている。後半は、インディアナ大学の概要を、キャンパス親模、財政、教職員、理事会その他の観点からまとめているが、こうした概要とデータは、日米の大学を比較するためである。日米の比較では、独立性、競争、環境適応性の三つの点について議論している。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.57-82, 2003-09

本論の目的は3つある。第1に、レビットやエーベルなど、ドメインの基本的な理論をあらためて紹介して整理した上で、ドメイン論の問題点と現実的応用について筆者なりに考察することである。第2には、シナノケンシ株式会社(以下、シナノケンシ)の歴史的な発展の過程を振り返って、繊維→モーター→電子機器とドメインを変えながら成長を続けている同社の事例を紹介することである。第3には、シナノケンシ成功の理由と同社の課題を筆者なりに分析して、戦略的な提案を試みることである。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.93-111, 2004-03-31

本稿は、ブランドに関する定義や理論を整理し、その具体的な事例としてハーゲンダッツのブランド構築についてまとめたものである。前半では、ブランド識別の主体を、売り手(企業)、買い手(消費者)、第三者(法的機関)に区分し、ブランド機能を①識別機能、②品質保証機能、③意味づけ機能に分けて整理した。さらに、ブランドカを「知名度」→「信頼度」→「魅力度」というランクで示したモデルも提示した。情報化社会の進展にともなって「企業」が示す「識別機能」や「品質保証機能」に加えて、「消費者」のいだく「意味づけ」が重要になりつつある。そのため単に「知名度」や「信頼度」を上げることより「魅力度」を向上させる必要性が高まっている。また、個別の製品ブランド管理よりも企業全体のイメージを向上させる全社的戦略が求められており、そのためのヒントも提供した。後半は、日本におけるハーゲンダッツの成功事例を通じてブランド構築の過程を具体的に検証した。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.313-331, 2004-03

本稿は、ブランドに関する定義や理論を整理し、その具体的な事例としてハーゲンダッツのブランド構築についてまとめたものである。前半では、ブランド識別の主体を、売り手(企業)、買い手(消費者)、第三者(法的機関)に区分し、ブランド機能を①識別機能、②品質保証機能、③意味づけ機能に分けて整理した。さらに、ブランドカを「知名度」→「信頼度」→「魅力度」というランクで示したモデルも提示した。情報化社会の進展にともなって「企業」が示す「識別機能」や「品質保証機能」に加えて、「消費者」のいだく「意味づけ」が重要になりつつある。そのため単に「知名度」や「信頼度」を上げることより「魅力度」を向上させる必要性が高まっている。また、個別の製品ブランド管理よりも企業全体のイメージを向上させる全社的戦略が求められており、そのためのヒントも提供した。後半は、日本におけるハーゲンダッツの成功事例を通じてブランド構築の過程を具体的に検証した。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.9-34, 2003-09-30

本論の目的は3つある。第1に、レビットやエーベルなど、ドメインの基本的な理論をあらためて紹介して整理した上で、ドメイン論の問題点と現実的応用について筆者なりに考察することである。第2には、シナノケンシ株式会社(以下、シナノケンシ)の歴史的な発展の過程を振り返って、繊維→モーター→電子機器とドメインを変えながら成長を続けている同社の事例を紹介することである。第3には、シナノケンシ成功の理由と同社の課題を筆者なりに分析して、戦略的な提案を試みることである。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 = BULLETIN OF NAGANO UNIVERSITY (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.61-83, 2002-06-30

行政上の理由や決定や立案過程の問題から従来の商業地域活性化プロジェクトが抱える難しさを指摘し、商店街が衰退する理由を外部要因と内部要因から分析した。その上で、東京の巣鴨地蔵通り商店街や長野県小布施町、滋賀県長浜市の事例を研究し、商店街を活性化するために必要なポイントを整理した。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.227-257, 1995-12

前回の拙稿で整理した「市場適応的経営戦略」の4つの特徴、①市場志向の企業理念の確立、②市場に直結した企業活動の統合、③全社的統合活動、④市場志向的組織、の内、本稿では、③と④についてアサヒビールの事例を通じて論じた。③については、3つの統合概念と、3つの統合を実現する「垂直的統合」と「水平的統合」の概念を提示、トップとミドルの役割が異なることを指摘した。④については、「準公式組織」の概念を提示し、その重要性を指摘した。
著者
井原 久光
出版者
長野大学
雑誌
長野大学紀要 (ISSN:02875438)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.458-484, 1997-03

マーケティング・コンセプトに関する理論的な変遷を紹介し、マーケティング・コンセプトが変化するためには組織全体のパラダイムが変革されなければならないことを指摘した。特に「プロダクト・アウト」的な発想から「マーケット・イン」的発想へと転換するために、通常のマーケティング理論は「何故必要なのか」という外的必然性(why)と、そのために「どうしたらよいか」という内的方法論(how)を用意していない点で不十分と考えられる。たとえば、ビール業界ではプロダクト・アウト的な体質が依然として残っており、そのパラダイムを変革することは容易ではない。そこで、本稿では二つの事例研究を取り上げて、特に新製品開発に焦点をあててパラダイム変革の実際について分析を試みている。第一の事例では、このような業界で成功をおさめた「アサヒスーパードライ」の開発過程をもとに、どのようなメカニズムでマーケット・インの発想が生まれ、組織全体のパラダイム変革が進んだかについて、トップの役割とミドルの行動に分けて言及している。第二には、最近のヒット商品である「黒生」の新製品開発過程に着目して、スーパードライとの共通点を探りながら、組織全体で獲得したパラダイムがどのように強化されているかについて述べた。この種のパラダイム変革に関するケーススタディは、企業や業界レベルのみではなく、広く日本社会や政治レベルのパラダイム変革についても応用が可能であり、今後は、従来のマーケティング理論に加えて幅広い視野にたったパラダイム理論の構築が必要であろう。