著者
井野 英文 猿田 和樹 加藤寧 根元 義章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.280-289, 1997-02-15
被引用文献数
13

手書き郵便宛名の高精度な認識には 文字切出し 個別文字認識 郵便宛名辞書を用いた知識処理が必要になる.従来 これらの処理を組み合わせた手法が主に報告されているが そのほとんどの場合 単一の筆記具によって書かれた文字を対象としている.文字の平均的な線幅(以下 ストローク幅)がほぼ一定の湯合 接触.入込み文字に対処する手法として 射影ヒストグラムに対し 実際的に求めた闘値により切出し位置を決定する手法が有効であった.しかし 実際の郵便宛名には 筆・サインペン・ボールペン等 様々なストローク幅の文字が存在し これらの手法をそのまま適用するには限界があると考えられる.本論文では 筆記具に依存しない切出し手法として ストローク情報に基づく切出しアルゴリズムを提案する.提案法は ストローク幅 水平方向走査時の文字ストローク交差回数および射影ヒストグラムの変化量という文字ストロークに関する3つの情報を効果的に組み合わせることにより 切出し候補位置を適切に決定する手法である.認識実験では 郵政研究所が配布した手書き宛名サンプル画像を用いて提案法の有効性を示す.また 切出し部に関する評価実験では 提案法が従来法より優れていることを示す.In handwritten address recognition, it's important to segment characters correctly. Conventional methods mainly used fixed threshold to segment characters from handwritten address image. The problem of those methods is that they can not cope with variable stroke width of handwritten characters. In this paper, we propose a new algorithm in which adaptive threshold is used depending on the stroke information of character image. As a result, this algorithm obtained a high recognition rate for the test samples, distributed by Institute for Posts and Telecommunication Policy, MPT.
著者
井野 英文 孫 寧 根元 義章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.278, pp.37-42, 1995-09-28
被引用文献数
1

手書き郵便宛名を高精度に認識するには, 切出しの高精度化が重要な問題になっている. 従来, 郵便宛名を切出す手法には切出し・認識・後処理を組み合わせた方法が主に報告されているが, その殆どの場合, 単一の筆記具によって書かれた文字を対象としている。そのため, 射影ヒストグラムから文字の切出し候補位置を決定する際に固定閾値が用いられている. しかし, 年賀状のような郵便宛名には, 様々なストローク幅の文字が存在し, これらの方法をそのまま適用するには限界があると考えられる. 本稿では, 宛名のイメージ情報からストローク幅を推定し, 射影ヒストグラムから文字の切出し候補位置を決定する際にそれを用いて閾値を変化させる閾値可変型切出し法を提案する. 提案法を用いて, 郵政研究所が配布した郵便宛名データを対象に認識実験を行い89.4%以上の正解率を得た. 本稿では提案法及びそれを用いた認識実験を中心に報告する.