著者
中川 正樹 東山 孝生 山中 由紀子 澤田 伸一 レー パン トゥー 秋山 勝彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.278, pp.43-48, 1995-09-28
被引用文献数
32

情報処理機器のパーソナル化の流れのなかでオンライン手書き文字認識の高度化を図るには, 現実的な字体変形が加わった筆跡パターンを一人一人につき相当量収集しておく必要がある. このことを念頭に, 文章形式, 字体制限なし, などを特徴とするオンライン手書き文字パターンデータベースを作成した. 筆跡パターン採集の対象とする文章は新聞から抜き出し,頻出の 1227 字種を含む JIS 第一水準 1537 字種が出現する文章列を約1万文字で構成した. 残りの JIS 第一水準文字は最後に文字単位で書いてもらう. この対象こ対し, 当研究室で 30 人分の筆跡パターンを採集した. また, 共同利用を前提に5人分の提供をメーカ等に呼びかけ, 9社の参加を得た. そして, 我々はさらに5人分追加した. 現在, 提供分のパターンを検査し, 誤字脱字の書き直しを依頼中である.
著者
新谷 素弘 吉川 敏則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.424, pp.37-42, 1994-12-17

ニューラルネットを用いて文字認識を行う際に,特徴量次元数が学習,認識時間に大きく影響する。本報告では,認識率を低下させずに,特徴量を削減する手法を提案する。提案法には白ランレングス特徴量を用い,この特徴量を用いた簡易細線化処理についても提案する。主成分分析を用いて,白ランレングス特徴量を新しい特徴量に変換し,その累積寄与率と特徴量次元数の関係を検討する。シミュレーションから,従来法と同等の性能を実現する累積寄与率を求め,それより,提案法の有効性を示す。
著者
安本 護 池田 尚志 豊倉 完治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.423, pp.87-95, 1994-12-16

マルチメディア環境の進展に伴い、従来のような画一的なフォントだけではなく、多様なフォントデザインが求められるようになってきている。その中に、ユーザの個性を表現できる手書き風文字を望むものがある。しかしながら、日本語文書の表現には非常に多くの漢字が必要であり、これをユーザごとにデザインすることは事実上不可能である。そこで、我々は漢字の構造的特徴に着目し、漢字をへんやつくりなどの部分字形に分解し、その組合せによって手書き風フォントを自動生成することを考えた。本稿では、常用漢字1945文字を対象に入力された手書き文字データから基本部分字形及び漢字生成規則を抽出して個性的なフォントの生成を試みた。
著者
岩成 英一 有木 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.431, pp.23-30, 1994-01-21
被引用文献数
24

DCT成分を用いて動画からシーン変わり目の(カット)を検出する方法を研究している。動画中の各フレームをブロックに分割し、DCT成分を求めると、同一シーン中の隣接するフレーム間では類似しているという特徴がある。このことに注目し本研究では、隣接するフレーム間で変化を求めてカットを検出するのではなく、連続するフレームによってクラスタを形成する方法を提案している。カットの検出は、形成された二つのクラスタを分割するフレームとして結果的に求めることが出来る。これにより、従来法で問題となっていた明るさの変化に敏感に反応するという点を改善することが出来るようになった。今回は、クラスタを形成する際のブロックサイズ、フレーム幅、使用するDCT周波数成分について最適なパラメータを求める実験を行なった。また、従来法との比較実験を行ない、本手法が、従来法で困難とされたいた、明るさが変化する場合、フラッシュがたかれた場合、暗い動画に対しても有効であることを示した。
著者
丸家 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.395, pp.65-72, 1993-12-16

ステレオ立体計測で得られた物体表面上の画像、すなわち曲面上のテクスチャを2次元平面に展開し、平面テクスチャを生成する方式を提案する。ステレオ立体計測の目的の一つの被計測物体のCD画像の作成であるが、計測時テクスチャは曲面上の画像としては得られるため、そのままではテクスチャマッピングに利用できない。提案法によりテクスチャマックピングを利用したテクスチャ表現が可能になり、少数のポリゴンでも計測されたデータを有効に利用したリアルな表示が可能となる。また本方式では展開図を用いるため、テクスチャの記録密度がほぼ一定であるという特徴もある。
著者
中嶋 正之 猿田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.395, pp.1-8, 1993-12-16

近年、CGの分野では様々な材質や物体を取り扱えるようになり、人物の表現も盛んに研究されている。その中で人間の頭髪は、本数が膨大であり、髪の毛一本の太さが非常に細いものであるという特徴があり,しかも人によって髪型が様々に異なり、外力によって変形しやすいため、CGで頭髪を描く際の大きな問題となっている。そこで、本研究では、頭髪を表現するのに適した新しい形状モデルである"分枝毛モデル"を提案し、このモデルを用いた頭髪の画像の生成アルゴリズムと作成された頭髪画像の例を示す。分枝毛モデルは、複雑な髪型や運動の表現が可能であり、同時に頭髪全体の扱いやすさと必要な記憶容量の低減を実現するための形状モデルである。
著者
井野 英文 孫 寧 根元 義章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.278, pp.37-42, 1995-09-28
被引用文献数
1

手書き郵便宛名を高精度に認識するには, 切出しの高精度化が重要な問題になっている. 従来, 郵便宛名を切出す手法には切出し・認識・後処理を組み合わせた方法が主に報告されているが, その殆どの場合, 単一の筆記具によって書かれた文字を対象としている。そのため, 射影ヒストグラムから文字の切出し候補位置を決定する際に固定閾値が用いられている. しかし, 年賀状のような郵便宛名には, 様々なストローク幅の文字が存在し, これらの方法をそのまま適用するには限界があると考えられる. 本稿では, 宛名のイメージ情報からストローク幅を推定し, 射影ヒストグラムから文字の切出し候補位置を決定する際にそれを用いて閾値を変化させる閾値可変型切出し法を提案する. 提案法を用いて, 郵政研究所が配布した郵便宛名データを対象に認識実験を行い89.4%以上の正解率を得た. 本稿では提案法及びそれを用いた認識実験を中心に報告する.
著者
太田 直哉 大中 慎一 亀井 俊男 土屋 徹雄 溝口 正典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.241, pp.57-64, 1994-09-21
被引用文献数
3

高速道路を走行する車両の前方視野画像を用いて、道路環境を理解する視覚システムについて報告する。現在構築中のこのシステムは、自律的に走行するのに必要な情報として、道路帯(レーン)、他車両、障害物を認識する予定であり、現在までに道路帯および追い抜き車両の認識部分の実装を完了した。本論文では、研究の中間報告として、システムの構成に関する計画と実装を完了した部分について述べる。道路帯はレーンを表す白線によるエッジを検出することで認識する。追い抜き車両は、画面両側のオプティカルフローを解析して検出し、Snakesによって追跡する。これらの情報は3次元環境モデルに集約・保持される。このシステムを実際の高速道路画像を用いて動作させた結果を示す。
著者
川内 道子 工藤 博幸 斎藤 恒雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.228, pp.73-80, 1993-09-16
被引用文献数
1

近年、統計的手法に基づくエッジ抽出が研究されており、特に画像モデルとして複合ガウス・マルコフ確率場(CGMRF)を用いた手法は優れた成果を挙げている。MAP推定では、弛緩法としてICM(Iterated Conditional Mode)やSA(Simulated Annealing)などが知られているが、それぞれ「最適解に収束しない」「膨大な計算量を必要とする」などの短所をもつ。そこで、本研究ではこれらの短所を改善する手法としてMFA(Mean Field Annealing)を提案する。また、エッジの形状を決定するモデルパラメータは一般に未知であるので、パラメータ推定が重要な課題となる。このため、観測画像のみを用いて、エッジ抽出を行いながらパラメータの自動推定を行う手法を提案する。
著者
山岡 正輝 岩根 和巳 岩城 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.431, pp.71-78, 1994-01-21
被引用文献数
1

文書画像認識理解のためのレイアウト解析における新しいアプローチを提案する.従来の知識ベース型アプローチは,文書画像中に存在する項目領域の抽出に際し,相対位置などの関係性を記述した知識ベースを基に解析を進める手法であった.このため,項目領域の抽出精度が他の項目領域の抽出精度に依存するなどの問題があった.そこで、パターン分類アプローチに基づく新しい手法を提案する。本手法では、黒連結矩形を統合して作成される基本矩形を項目に分類することによりレイアウト解析を進め,最後に基本矩形から各項目に対応する領域を作成する.これにより,他の項目領域の抽出結果に左右されない選択的な項目領域の抽出が可能となった.科学技術論文を対象とした実験により提案手法の有効性を確認した.
著者
林 成起 佐藤 嘉伸 田村 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.446, pp.71-78, 1995-12-22
被引用文献数
1

米手話の代名詞体系には一定の手話空間が代名詞として設定された後には、この空間が手話文のなかで文法的に使われ、その代名詞に相当する手話単語は明示的には表現されない。また、方向動詞には、その動詞のサインの中に、すなわち、動詞の位置や動き情報の中に動詞の主体と客体に対する情報が含まれていて、その動詞を含む文では主語や目的語が明示的には出て未ず、手話空間から参照される。そこで、手話を計算機の上で処理し、認識しようとすると、手話文では省略語が多いため、単に手話の構成素 - 手の形、手の位置、手の動き、掌の方向 - の解析だけではその文の正確な認識が困難である。従って、手話文を認識、解析する際には、代名詞として扱われる手話空間と動詞の位置や動き情報を互いに処理する必要がある。そこで、本研究ではASLを対象として手話空間の情報と方向動詞の位置や動き情報を考慮して、手話文解析を行なった。
著者
島田 伸敬 白井 良明 久野 義徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.50, pp.25-32, 1994-05-19
被引用文献数
9

本論文では,手指の単眼視時系列シルエット画像から三次元形状モデルを用いて手指姿勢を解釈する手法について述べる.まず時間的な拘束から予測される手の平の姿勢をモデルを用いて生成し入力画像のシルエット形状との適合度を評価することで手の平の姿勢候補を選択する.さらに手の平の候補について各指の姿勢候補をモデルを用いて生成し,輪郭の突起特徴にもっとも適合するものを推定する.突起特徴に対応しない指の姿勢はシルエットとの重なりの形状と面積を考慮して選択する.最後に実際の手指画像に対して行った実験の結果を示す.
著者
村上 和人 近藤 隆行 鈴木 健志 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.51, pp.63-70, 1994-05-20
被引用文献数
4

似顔絵生成問題は、顔の物理的表現から個人性特徴の知覚的記述・表現を抽出し、これを改めて物理的に生成する問題として捉えることができる。筆者らは、これをコンピュータによる実現する一つの試みとして、顔の物理的な個人性特徴を抽出するための「平均顔」と、その特徴の知覚的記述を獲得するための「中割り法」によるズレの誇張法、などを基本原理とした似顔絵師システムPICASSOを開発してきた。これまでのPICASSOでは、主に、二次元的な扱いで上述の特徴抽出と誇張メカニズムを実現してきた。本論文では、これを三次元に拡張し、三次元立体表示による「似顔絵レリーフ」をはじめとした簡易な三次元似顔絵生成を実現するための一手法について提案する。