著者
高須賀 明典 渡井 幹雄 入路 光雄 米田 道夫 中村 政裕 亘 真吾
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

魚類において「産卵親魚量と卵生産量は比例する」というパラダイムは、現在の水産資源管理・加入研究における根本的仮定である。しかし、卵生産における種内・種間密度効果によって、この比例関係には歪みが生じることが示された。本研究では、野外データ解析・標本分析と飼育実験によって、様々な小型浮魚類 (イワシ類、サバ類等) について、卵量・卵質に対する種内・種間密度効果を検証する。卵生産量に基づいた資源管理基準の設定方法の検討と資源管理リスク評価、卵生産量に基づいた生残指標値の検討と既存の加入研究の再検証を行う。以上より、従来の産卵親魚量ではなく、卵生産量に基づいた新しい資源管理・加入研究の基盤を構築する。
著者
森岡 泰三 亘 真吾 今井 正 山本 義久
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.179-181, 2019-03-15 (Released:2019-04-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1

サワラ稚魚豊度の指標を簡便安価に得るため調査にシラス漁獲物を用いる方法を検討した。6月から7月にチリメンジャコの製造工程で除去されたチリメンモンスターをシラス4,200籠分確保し,サワラ仔稚魚の混入数を計数した。解析期間は混入が認められた期間とし,シラス総水揚げ量と加工重量を補助変量とした比推定量を用いて混入数を推定した。その結果総水揚げ12,645籠に対する混入数は41,636±2,542尾と推定された。本方法は生シラス調査に比べて費用とサンプル量を99%以上削減できる点で効率的であった。