著者
安藤 宏 今村 泰弘 増田 裕次 北川 純一
出版者
松本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

咽頭・喉頭領域の感覚は、迷走神経の分枝の上喉頭神経に受容される。この神経において43℃以上の温度およびカプサイシンに活性化されるTRPV1チャネル、冷刺激やメントールに応答するTRPM8チャネル、冷刺激やマスタードに応答するTRPA1チャネルが発現していることを免疫組織学的方法により明らかにした。さらに、これらのチャネルの活性化物質であるカプサイシン、メントールおよびマスタード成分による咽頭・喉頭領域の刺激は、嚥下回数を顕著に増加させた。これらの結果から、上喉頭神経に発現するTRPV1、TRPM8およびTRPA1を介して、嚥下が誘発されることが示唆される。
著者
王 宝禮 今村 泰弘 藤井 健男 音琴 淳一 太田 紀雄 大浦 清
出版者
一般社団法人 日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.101-107, 2004-12-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
29

本研究では, ヒスタチンを用いて歯肉組織中に最も多く存在するヒト歯肉線維芽細胞に対する影響について検討を行った.ヒスタチンは新鮮ヒト耳下腺唾液を用いてハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーによって分離, 精製された.ヒト歯肉線維芽細胞は, インフォームドコンセントのもと抜歯後の歯に付着する歯肉組織から摘出した.ヒト歯肉線維芽細胞は, ヒスタチンを添加し培養された.細胞増殖はMTT分析, DNA合成はBrdU法, Ki-67タンパク質の検出はウエスタンブロット法で行われた.結合分析はオプティカルバイオセンサーによって行われた.ヒスタチンは, ヒト歯肉線維芽細胞に対して増殖率, DNA合成率, Ki-67タンパク質量を増加させた.ヒスタチンとヒト歯肉線維芽細胞の結合が確認できた.以上の結果から, ヒスタチンがヒト歯肉線維芽細胞の増殖を誘導したことを示唆した.将来的に, ヒスタチンが歯周病患者における歯肉線維芽細胞の再生を誘導する可能性があるかもしれない.